小1のプログラミング授業|Springin’でコロコロゲームを作り、友達のために直す5時間

ゲームが動いたら完成。プログラミングの授業は、そこで区切りをつけたくなることがあります。けれど、自分では遊べても、初めて触る友達には難しかったり、どこがゴールか分からなかったりするかもしれません。そんな違いを、作品を直す理由にしたいと考えました。
小学校1年生の情報の授業で組み立てたのが、Springin’ Classroomを使う「コロコロゲームを制作しよう」です。ボールが坂を転がってゴールするゲームを作り、友達に遊んでもらって難易度を調整します。ここでは、全5時間の流れと、完成品だけでは見えにくい学びの見取りを紹介します。
| 項目 | 授業の概要 |
|---|---|
| 対象 | 小学校1年生 |
| 時間 | 全5時間 |
| 主な道具 | Springin’ Classroom |
| 中心の問い | 遊ぶ人のために、どこをどう直す? |
ゲーム制作で育てたいのは、相手のために直す考え方
この単元で重視したのは、アプリの操作を覚えることに加えて、動きを試し、原因を考え、直してもう一度試すことです。坂の角度やゴールの大きさを変えると、遊びやすさも変わります。自分の狙いと実際の動きを見比べる場面を、制作の中に入れています。
さらに、友達に遊んでもらう時間を設けることで、修正の基準が自分の好みだけではなくなります。簡単にすることが常に正解ではありません。どんな遊び方を楽しんでもらいたいかを考え、その相手に合う形へ調整するところまでを、ゲーム制作の学びにしました。

全5時間の単元計画
| 時間 | 主な活動 | 見たいところ |
|---|---|---|
| 1 | ゲームに触れ、動きの仕組みを知る | 何を変えると動きが変わるか |
| 2 | コースとゴールを作る | 遊びの始まりと終わりを考える |
| 3 | 属性を使い、仕掛けを加える | 動かしたいものと固定したいものを分ける |
| 4 | 友達とプレイテストし、調整する | 遊ぶ様子を根拠に修正する |
| 5 | 紹介し合い、振り返る | 誰のために何を直したか説明する |
第4時が、作品を相手の視点で見直す時間です。操作の得意さで作品を比べるより、遊ぶ人が迷った場所や、何度も失敗した場所に目を向けます。第5時には、完成したゲームとともに、直した部分やその理由を伝え合います。
重力とピンは、動きを考えるための手がかり
Springin’では、重力やピンなどの属性を使って、アイテムの動きを設定します。重力でボールを動かす一方、坂や床など、その場所に残したいものには固定するための設定が必要です。公式のコロコロゲーム入門でも、重力とピンの基本が紹介されています。
授業では、名称を覚えたかだけで判断せず、「動いてほしいものはどれか」「ここまで落ちてしまうのはなぜか」と作品を見ながら考えられるようにします。実際の画面や設定方法は、学校で利用する版を教師が先に試し、最初のコースは小さく作れるように準備します。
プレイテストで、友達の反応を修正の理由にする
例えば、遊ぶ友達が最初の坂で何度も止まるなら、坂の角度やつなぎ目を見直す候補になります。ゴールに着いても気づけないなら、ゴールの見え方を考えられます。これは授業を再現するための例で、特定の児童の発言や作品の記録ではありません。
教師の問いかけも、「もっと簡単にしよう」だけで終わらせず、「どこで困っていた?」「変えたら遊び方はどうなった?」と具体的にできます。友達から提案をもらっても、何を採用するかは作り手が考えます。相手の様子と自分の狙いを行き来させることが、この時間のポイントです。
評価は完成品と、直した理由を合わせて見る
| 観点 | 見取ること | 残す記録 |
|---|---|---|
| 知識・技能 | 属性を使い、狙った動きを試す | 制作物と操作の様子 |
| 思考・判断・表現 | 遊ぶ相手の様子から調整する | 変更前後の作品、説明 |
| 主体的な態度 | 試し直し、相手を思って取り組む | 行動観察、振り返り |
振り返りは、「だれのために」「どこを」「どう直した」を柱にできます。文字で書くことが難しい場合は、画面を示しながら話す形も考えられます。作品の見栄えだけでなく、子どもが何を根拠に変更したのかを捉える材料にします。
第4時を再現するなら、観察と変更を分ける
プレイテストを再現する場合は、二人で作り手と遊び手の役割を交代し、最初は説明を足しすぎずに遊んでもらいます。作り手は、止まった場所や迷った場所を見ます。感想を聞く時間と直す時間を分けておくと、途中で手を出してしまい、何に困ったか分からなくなることを防げます。
変更する箇所は、まず一つに絞る方法がおすすめです。坂の角度とゴールの大きさを同時に変えると、どちらが遊びやすさに関係したか比べにくくなります。変更前の画面を残し、直した後に同じ友達に試してもらうと、修正の意味を確かめられます。これは実践を基にした進め方の提案です。
振り返りを聞くなら、「ここで止まっていたので、坂を変えた」のように、見たことと変えたことがつながる説明を目指します。教師が理由を代わりに決めず、画面を指しながら本人の言葉を待つ時間を取りたいところです。
作って終わらない経験を、次の表現活動につなぐ
この単元の軸は、相手に試してもらい、その相手のために自分の作品を見直すことです。ゲームに限らず、掲示物や発表資料にも使える考え方だと思います。低学年のうちから、誰かに渡した後の反応まで含めて制作を考える時間を、情報の授業に残していきたいと考えています。
あわせて読みたい記事
教材・利用条件の確認先
利用できる機能や条件は更新されます。掲載前と授業前に、学校で使う環境と公式案内を確認してください。




