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【無料】教育で使えるおすすめAIツール|授業も業務も効率化

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1. 費用ゼロで使えるおすすめAI一覧

教育現場でAIを導入したいと考えていても、予算の制約から踏み出せないことは珍しくありません。しかし、現在では多くの優秀なAIツールが無料で提供されており、限られた予算でも十分に活用することが可能です。

対話型AI(チャットボット)

最も注目すべきは、対話型AIです。ChatGPTの無料版では、テキスト生成・質問応答・翻訳などの基本機能を制限付きで利用できます。教材作成や授業準備において大いに役立つでしょう。

Google Bardも無料で利用可能で、Googleの検索エンジンと連携し、最新情報の取得が可能です。Microsoft Copilotは特にWindowsユーザーにおすすめで、WordやPowerPointなどOffice製品との親和性が高く、資料作成をAIがサポートします。

また、Anthropic社のClaudeも無料版があり、長文処理や複雑な文章の要約に優れています。

画像生成AI

視覚的な教材作成には、画像生成AIが大きな力を発揮します。DALL-E 2の無料版では、月に数回の画像生成が可能で、オリジナルのイラストや図解が作成できます。Stable Diffusionは完全無料のオープンソースで、多様なスタイルの画像生成に対応しています。

さらに、Canvaに統合されたAI機能は教育関係者に人気があり、プレゼンテーション用素材の作成にも便利です。

音声関連AI

英語教育や音声教材の作成には、音声AIツールが効果的です。Google翻訳の音声機能は完全無料で、発音の確認やリスニング練習に活用できます。Text-to-Speechツールとしては、Natural ReadersやSpeechifyの無料版があり、テキストを自然な音声で読み上げてくれます。

学習管理・分析AI

Khan Academy(日本語対応は一部)では、AIを活用した個別学習サポートが無料で提供されています。生徒の学習進度を分析し、最適な問題を提示することで、個別指導の効果を高めることができます。

図1:無料AIツール比較表(機能・制限・教育活用度)

これらの無料ツールには利用回数や機能に制限がある場合もありますが、教育現場での基本的な用途には十分対応可能です。重要なのは、各ツールの特性を理解し、授業の目的に応じて使い分けることです。

無料版では多くの場合、月間の利用回数や一度に処理できる内容に上限があります。しかし、計画的に使用すれば、これらの制限内でも十分に活用できます。たとえば、ChatGPTの無料版は一定時間内の利用回数に制限がありますが、授業準備の時間を分散することで効率的に活用できます。

また、複数のツールを組み合わせて使用することで、それぞれの制限を補完することが可能です。たとえば、テキスト生成にはChatGPT、画像作成にはStable Diffusion、音声にはGoogle翻訳といったように使い分けることで、無料で総合的な教材作成が実現できます。

教育現場でAI活用を始める際には、まずはこれらの無料ツールを試すことをおすすめします。実際に使用することでAIの可能性と限界を理解でき、将来的な有料版への移行や学校全体での導入判断の材料にもなるでしょう。

2. アカウント登録と基本的な使い方

AIツールを実際に活用するためには、まずアカウント登録が必要です。ここでは、代表的なAIツールの登録方法と基本的な使い方を、教育現場での活用を想定しながら解説します。

ChatGPTの登録と基本操作

ChatGPTの利用は比較的簡単に始められます。まず、OpenAIの公式サイトにアクセスし、メールアドレスと電話番号を入力して登録を行います。学校用のメールアドレスでも登録できますが、プライバシー管理の観点から個人のアドレスの利用をおすすめします。

登録が完了すると、シンプルなチャット画面が表示され、日本語で質問や指示を入力することでAIから回答が得られます。たとえば、以下のような指示が効果的です。

  • 「小学3年生向けの算数の文章問題を5問作成してください」
  • 「英語の授業で使える簡単な会話例を教えてください」

特に重要なのは、最初の質問(プロンプト)の書き方です。曖昧な問いよりも、対象学年・教科・目的などを具体的に示すことで、より実用的な回答が得られます。また、「もう少し簡単に」「詳しく説明して」などの追加指示によって、出力内容を調整することも可能です。

Google Bardの活用方法

Google Bardは、Googleアカウントがあればすぐに利用できます。Google検索との連携により、最新情報を含む回答が得られる点が特徴です。

たとえば教育現場では、

  • 「2024年の教育改革について教えてください」
  • 「最新の科学ニュースを小学生向けに説明してください」

といった、時事性を重視した質問に特に適しています。

また、Bardは一つの問いに対して複数の回答案を提示してくれるため、授業内容の幅を広げることが可能です。

画像生成AIの基本操作

DALL-E 2やStable Diffusionなどの画像生成AIは、テキストによる指示(プロンプト)が重要です。たとえば、

  • 「小学生の理科実験の様子」
  • 「江戸時代の町並み」

といった具体的な描写を指示することで、教育コンテンツに適した画像を生成できます。

効果的なプロンプト作成には以下のポイントがあります。

  • 描写したい内容を具体的に記述する
  • 画風やスタイル(例:「イラスト風」「写実的」など)を指定する
  • 色調や雰囲気(例:「明るい」「落ち着いた」など)を明示する

図2:効果的なプロンプト作成のフローチャート

これらを工夫することで、目的に適した画像を得やすくなります。

音声AIツールの設定

Google翻訳やText-to-Speechツールの利用方法は非常に簡単です。テキストを入力し、使用する言語や音声の種類を選ぶだけで、自然な発音の音声が再生されます。

英語教育では、アメリカ英語やイギリス英語など異なるアクセントを選択できる点も大きな利点です。さらに、読み上げ速度を調整することで、生徒の理解レベルに応じた音声教材を提供できます。

セキュリティとプライバシーの設定

教育現場でAIツールを導入する際には、セキュリティ設定とプライバシー保護が極めて重要です。多くのAIサービスでは、入力されたデータがサービス改善のために使用される可能性があります。

そのため、生徒の名前や学校名など、個人が特定できる情報は入力せず、一般化された内容に置き換えることが必要です。

たとえばChatGPTでは、「チャット履歴とトレーニング」を設定でオフにすることで、入力内容が学習データとして使用されるのを防ぐことができます。他のAIサービスでも、必ずプライバシー設定を確認し、教育現場に適した設定に変更することをおすすめします。

また、学校のネットワーク環境で該当サービスが利用可能かどうか、事前にIT管理者と確認を行うことも大切です。学校によってはセキュリティポリシーにより、特定のAIサービスへのアクセスが制限されている場合があります。

3. 教育現場での活用事例

AIツールは、実際の教育現場において、さまざまな形で活用されています。この節では、教科別・学年別に分けて、AIの具体的な活用事例をご紹介します。いずれも現場で実践され、一定の効果が確認されている取り組みです。


◎ 国語・言語教育での活用

▷ 小学校

小学校の国語の授業では、作文指導にAIを活用する例が増えています。たとえば、「遠足の思い出」をテーマに作文を書く前に、児童と一緒にAIに問いかけを行います。

例:「遠足の作文を書くときに入れたほうがいいことは何ですか?」

このような質問を通して、「いつ・どこで・誰と・何をした・どう感じた」といった5W1Hの視点を意識させることができ、作文の構成力が高まります。

▷ 中学校

中学校では、古典の現代語訳や解釈の学習にAIが活躍します。

例:「徒然草のこの一節を現代語訳し、中学生にも分かりやすく説明してください」

こうした問いかけにより、AIが提示する現代語訳と教科書の訳を比較しながら、古典の解釈の多様性について考える力を養うことができます。

▷ 高校

高校では、小論文指導やディベート活動の補助としてAIが使われています。生徒が自ら書いた小論文に対し、AIに反対意見を出してもらい、それに対する反論を考えさせることで、論理的思考や構成力の向上が図られます。


◎ 算数・理科での活用

▷ 小学校(算数)

AIは、文章題の自動生成にも有効です。

例:「小学4年生向けに、割り算を使った買い物の問題を季節感のある内容で3問作ってください」

このような問いに対し、すぐに実用的な問題が得られ、教科書に載っていない題材で児童の興味を引きながら練習できます。

▷ 小学校(理科)

理科では、実験の事前学習や振り返りにAIを利用できます。

例:「水の電気分解実験を小学生に分かりやすく説明し、その理由も教えてください」

このような質問により、実験の背景となる理論を児童の理解レベルに合わせて解説することが可能です。

▷ 中学校(数学)

中学生では、証明問題のチェック補助として活用されています。

例:生徒が書いた証明をAIに入力し、「不足している論理の部分はありますか?」と尋ねる

このようにすることで、生徒自身が論理の構成を見直す習慣を身につけることができます。


◎ 英語教育での活用

▷ 小学校

基本的な英会話練習にAIが役立ちます。

例:「小学生向けに、レストランで注文する英語の会話を作ってください」

このような問いにより、日常生活に即した英語表現を自然に学ぶことができます。

▷ 中学校

英作文の添削指導に活用されることがあります。生徒の英文に対し、AIに「文法の誤りを指摘し、正しい書き方を教えてください」と依頼することで、個別に合ったフィードバックが可能です。ただし、個人情報は除外するよう配慮が必要です。

▷ 高校

ディスカッションの事前準備にも有効です。

例:「環境問題について高校生が議論する際の賛成・反対意見とその根拠を教えてください」

AIが示す多様な視点により、広い視野で物事を考える訓練ができます。


◎ 特別支援教育での活用

AIは、特別な支援が必要な児童生徒にも大きな助けとなります。

  • Text-to-Speechを使えば、読み書きが苦手な子どもに音声での情報提供が可能です。
  • たとえば、「学習障害のある児童向けに、楽しく漢字を学ぶ方法を教えてください」とAIに聞くことで、個別ニーズに合わせた学習方法のヒントが得られます。
  • また、発達障害のある児童に対しては、「友達と上手に関わる方法を、具体的な場面で教えてください」と質問することで、ソーシャルスキルのトレーニングにも活用できます。

◎ 授業準備・教材作成での活用

日々の授業準備においても、AIは時間短縮と質の向上に役立ちます。

例:「中学2年生の歴史授業で鎌倉時代を導入するクイズを5問作ってください」

このようなリクエストにより、短時間で魅力的な導入教材を用意できます。

また、保護者向けのお便り作成にも活用できます。

例:「学級懇談会の案内文を丁寧で分かりやすい文章にしてください」

個人情報や学校独自の事情は後から追加する必要がありますが、ベースの文章が短時間で整うのは大きな利点です。


◎ 評価・フィードバックでの活用

生徒の作品や活動に対して適切なフィードバックコメントを生成することも可能です。

例:「小学生の図画工作作品に対して、前向きで具体的なコメントを教えてください」

これにより、教員が一人ひとりに対して成長を促すコメントを効率的に作成できます。


これらの活用事例は、いずれも「AIの特性を理解し、教育の目的に合わせて適切に使い分けること」によって、より効果を発揮します。AIは単なる作業の代行者ではなく、教育の質を高めるパートナーとして活用されるべき存在です。

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かおる先生
かおる先生
小学校教諭
大学・大学院では教育や技術について学び、小学校教諭免許に加えて、中学校(技術)および高等学校(情報・工業)の専修免許も取得しました。 「知ることの入り口」に立つ児童たちに、わかりやすく伝えることに大きなやりがいを感じ、現在は小学校の教員として日々子どもたちと向き合っています。またこの場では、日々の教育現場で役立っている業務効率化や時短の工夫、ちょっとした小技に加えて、趣味でもあるガジェットについての話題も交えながら、さまざまな情報をまとめていきたいと考えています。
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