教師のAI教材と著作権|授業・公開・販売を分けて確認する
授業の過程で必要な範囲の利用と、学校ホームページやSNSで一般公開する利用は分けて確認します。授業目的公衆送信補償金制度を利用していても、学校外への公開が一律に認められるわけではありません。著作物、利用範囲、公開先に応じて運用指針と権利者の条件を確認してください。 SARTRASの制度説明
生成AIで作った教材を、授業で使う、ブログで公開する、有料で販売する。それぞれで確認する条件は異なります。ここでは日本の学校教員向けに、入力する素材・生成物・公開先を分け、確認の順番を整理します。個別の作品が適法かを一律に判定するものではありません。

AIで教材を作るときは、入力した素材と、完成した教材の使い道を分けて整理しておきたいですね。授業で使うのか、ブログで公開するのかでも確認が変わります。

教室で使えた教材を、そのまま販売できるとは限りませんね。子どもの作品や、素材サービスから入れた画像も、一つずつ確認したいです。

そうですね。「AIで作ったから自由」ではなく、元の素材、生成物、利用するサービスの条件を順に見ていきましょう。

完成後にまとめて思い出すより、出典や条件を作る途中で残す方が確認しやすそうです。下の表で、使い道から確かめてみましょう。
AI教材で分けて考える三つのこと
入力・学習のための利用
文化庁の整理では、著作権法30条の4には適用の要件と例外があります。「日本ではAI学習がすべて包括的に許される」とは言えません。学習段階の議論と、教師が画像や文章を入力・公開する際の判断も分けます。
生成物と既存作品の関係
既存作品との類似性・依拠性を検討します。作品名を指示しなかったことや、類似画像検索で見つからなかったことだけで、問題がないと確定するわけではありません。
生成物が著作物として保護されるか
人の創作的な関与を、個別に考えます。単に長い指示を出した、何度も生成した、少し手直ししたというだけで、全体の著作権が保証されるとは限りません。「他人の権利を侵害しないか」とは別の問いです。
以上は文化審議会「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日)の整理を参照しています。同資料は確定的な司法判断を示すものではありません。確認日が新しくても、資料自体の発表日が変わるわけではありません。
使い道から確認する、教材の公開前チェック
以下は教師が確認事項を整理するための実務用の表です。各行が、許諾不要・利用可能という判定を示すものではありません。
| 使い道 | 先に確認すること | 避けたい思い込み |
|---|---|---|
| 授業で配る・児童に送る | 何の授業で、誰に、どの範囲を使うか。学校の運用と著作権法35条等の条件を確認 | 学校内なら何でも自由、としない |
| ブログやXで公開する | 入力素材と生成物、引用の要件、素材の利用許諾、写真や作品の公開条件 | 授業での利用条件を、そのまま一般公開へ広げない |
| 教材を有料販売する | 商用利用の条件、素材の再配布制限、購入者に認める利用範囲 | AIサービスの商用利用可という案内だけで判断を終えない |
| 校内で共有する | 共有先、目的、含まれる資料の出典と利用条件 | 校内限定でも、すべての権利確認が不要になるわけではない |
SARTRASが説明する制度は、授業の過程で必要な公衆送信を対象とする仕組みです。学校ホームページやSNSへの一般公開、教材の販売まで一律に許す制度ではありません。具体的な適用は運用指針を確認します。
作りながら残しておく、五つの記録
- 教材の目的と、配布・公開する相手を記す。
- 文章、画像、音声、児童作品など、素材ごとに作成者・出典を残す。
- 利用したサービス、アカウントの種類、利用条件のURLと確認日を残す。
- AIに渡した素材と指示、生成物、手直しした内容を残す。
- 公開前に疑問が残った箇所を解消し、購入者や利用者への説明を整える。
例えば、公開資料を参考に自分で設問と解説を作った場合と、教科書の挿絵を取り込んで生成し直した場合は、確認すべき素材が異なります。「AIを使った」という一項目にまとめず、何を取り込み、どこに渡すかを記録する方法です。この例は確認手順の説明で、個別の利用を許可するものではありません。
素材サービスの規約と権利確認も分ける
利用規約で商用利用に対応していても、入力素材の権利や第三者の作品との関係まで自動的に解決するわけではありません。特定の製品名だけで「著作権的にクリーン」と評価せず、その製品・契約・補償の対象と条件を個別に確かめます。
著作権以外にも、人物の写真、氏名、学校の情報、商標などの扱いを確認します。判断が難しい作品は販売・公開を保留し、権利者や学校の担当者、必要に応じて専門家へ具体的な素材と使い道を示して確認してください。
確認した一次資料
2026年10月17日確認。国外の法律・裁判の比較を網羅する記事ではありません。




