校内AI研修の進め方|30分の進行表と連絡文の確認ワーク

校内のAI研修を任されたとき、使える機能を全部紹介しようとすると、準備する資料が増えていきます。最初の30分は、架空の連絡文を1本作り、みんなで直すところまで。これなら、操作だけでなく「どこを確認してから使うか」も一緒に扱えます。
研修のゴールは、参加者が連絡文の下書きを試し、原文と比べて修正できること。30分の進行表、共通課題、確認表、使わない場合の代替案をまとめます。学校で認められた環境がある場合の教職員向け研修案です。

校内AI研修の前にそろえるもの
先に確認したいのは、使うサービスの名前より利用条件です。学校・設置者が認めるアカウント、端末、入力できる情報の範囲、相談先を参加者と共有します。この研修では実際の児童・保護者の記録を使いません。個人アカウントを新しく作ることも、参加条件にはしない設計です。
| 準備 | そろえるもの | 間に合わないとき |
|---|---|---|
| 利用環境 | 学校が認めるサービス、アカウント、端末 | 操作体験を行わず、印刷した出力例を点検する |
| 共通課題 | 全員が使う架空の連絡内容 | 実際の連絡文を持ち寄る課題に変えない |
| 接続確認 | ログイン、通信、画面投影 | ペアで参加、または紙で比較する |
| 確認材料 | 元の条件、わざと誤りを入れた練習文 | 出力だけを見て「良い文章」で終えない |
| 相談先 | 迷った場合の校内の窓口 | 担当者が利用可否を独断で決めない |
スマートフォンでは、表を横に動かして読めます。
30分の進行表|試す時間と直す時間を分ける
| 時間 | 内容 | 参加者が行うこと |
|---|---|---|
| 5分 | 利用ルールとゴールの確認 | 入力しない情報、相談先を確かめる |
| 3分 | 共通の架空課題を読む | 伝える事実と、未確定のことを区別する |
| 7分 | 下書きを作る | 共通の指示文で1本作り、元の条件と比べる |
| 10分 | ペアで点検・修正する | 日付、持ち物、未決定事項、言い方を確認する |
| 5分 | 修正点と次の仕事を共有する | 直した箇所と、試したい仕事を一つ挙げる |
スマートフォンでは、表を横に動かして読めます。
合計30分です。全員の出力を発表すると、直す時間が足りなくなります。最後の共有は2〜3組の例に絞り、ほかの参加者は修正点を記録する形でも進められます。講師の操作を見せるだけで終わらないよう、点検の10分を先に確保します。
共通課題は、確認できる条件だけに絞る
課題は架空の校内行事案内です。氏名、クラス名、実際の予定は入れません。雨天時の扱いを未定にしておくと、AIがもっともらしい対応を勝手に補っていないかを点検できます。
保護者向けのお知らせの下書きを、200字程度で作ってください。 以下は研修用の架空の設定です。 行事:校庭での秋探し 日付:架空の実施日として11月5日 時間:2時間目 持ち物:帽子、水筒 雨天時:対応は未定。別途案内する予定 お願い:持ち物の確認 条件 入力した事実だけを使う。曜日は追加しない。 雨天時の活動や、追加の持ち物を勝手に決めない。 未確定事項は未確定と分かるように書く。 末尾に、教師が確認する項目を3つ示す。
練習用の出力例を、原文と比べる
次の文章はAIの実際の出力ではなく、点検練習のために誤りを入れた例です。正しい文例として配布しないよう、練習用と明記します。
11月5日の2時間目に、校庭で秋探しを行います。帽子、水筒、軍手をご用意ください。雨天の場合は体育館で実施します。
この文では、元の条件にない軍手と、未定だった雨天時の対応が加わっています。「文章として自然」に見えても、学校の案内としてそのまま使えない例です。修正すると、持ち物は帽子と水筒、雨天時は対応が決まり次第案内する文になります。
AIの下書きを点検する4つの観点
| 観点 | 確認すること | 今回の課題で見る箇所 |
|---|---|---|
| 事実 | 元の条件と一致しているか | 日付、時間、場所、持ち物 |
| 書き足し | 原文にない内容が入っていないか | 軍手など追加の持ち物 |
| 未確定事項 | 決まっていないことを約束していないか | 雨天時の活動 |
| 読み手 | 何をすればよいかが分かるか | 持ち物を確認するお願い |
スマートフォンでは、表を横に動かして読めます。
点検の順番は、まず事実、その後に言い方です。丁寧な文に直しても、日付や実施内容が違えば、配信後に訂正が必要になります。原文と出力を並べ、直した場所に印を付けると、何を確かめたかが残ります。
- 1.条件を決める伝える事実と未確定事項を分ける
- 2.下書きを作る認められた環境で、架空課題を試す
- 3.照合して直す書き足しを見付けてから言い方を整える
AIを使わない参加方法も用意する
利用環境が整っていない、ログインに時間がかかる、まず確認方法を学びたい。そんな参加者には、印刷した元の条件と練習文を渡します。同じ確認表で点検すれば、研修のゴールには参加できます。新しい機能を触れたかどうかだけで、研修の成果を決めない形です。
終了時の振り返りは「便利だった」で終わらせず、「雨天時の予定を勝手に加えていた」「曜日は元の資料で確認する」など、実際に直した点を一つ残します。次の研修では、その記録から課題を選べます。
研修後に決める、小さな次の一歩
参加者には、次に試す仕事を一つ選んでもらいます。一般的な持ち物案内の構成を考える、公開されている資料の要点を整理するなど、入力条件を確かめやすい仕事から始めます。実際の学校の記録を使う段階は、利用ルールを確認してからです。
研修担当者は、参加者が迷った箇所を集めて校内の説明を補います。短い研修でも、何を入力してよいか、何を自分で確認するか、誰に相談するかがそろえば、次の利用につながる準備になります。










