小5のAIリテラシー授業|Geminiの答えを確かめる45分の進め方

AIの回答が自然な文章になっていると、それだけで正しく感じることがあります。小学校5年生の情報の授業では、答えを使う前に「本当ですか?」と立ち止まり、自分で確かめる経験を中心に置きました。合言葉は「確認した?」です。
単元全体は8時間を想定して検討している「AIと上手につきあう」です。ここでは、具体化している第1時の45分を中心に、Geminiの回答と教科書、本、サイトを見比べる活動を紹介します。後半に扱う仕組みやプロンプトの学習は、単元全体への接続として整理しています。
| 項目 | 授業の概要 |
|---|---|
| 対象 | 小学校5年生 |
| 本記事の範囲 | 第1時・45分を中心に紹介 |
| 単元全体 | 8時間を想定。全体構成は検討中 |
| 中心の問い | AIの答えを、そのまま使ってよい? |
AIの答えを、確認する対象として受け取る
導入では、生成AIがもっともらしい誤った回答を出すことがあると扱います。「嘘をつくか」という問いは話し合いの入口になりますが、人間の悪意や自覚と同じ仕組みで説明しないようにします。子どもに残したいのは、自然な文章と正確な情報は別だという見方です。
AIの答えを一度受け取り、調べるための仮の見通しとして使います。ここでいう「仮説」は、確認前の情報という授業上の扱いです。AIが言ったから信じる、逆にAIだから全部捨てる、という二択にせず、どこをどう確かめるかを考えます。

第1時の45分をどう組み立てるか
| 段階 | 時間 | 活動 |
|---|---|---|
| 導入 | 7分 | AIの誤りと、本時の問いを共有する |
| 回答を得る | 10分 | Geminiに質問し、回答をワークシートに残す |
| 照合する | 15分 | 教科書、本、別のサイトで確かめる |
| 共有する | 8分 | 合っていた点、違った点、未確認の点を伝える |
| 振り返る | 5分 | 確認した方法と、次に気をつけることを書く |
質問の題材は、教科書や図書館の本で確かめられる範囲から選ぶと、45分の中で活動を進めやすくなります。回答全体を丸ごと調べるより、確かめる一文や一つの主張を選ぶ形も考えられます。利用するアカウントと機能は、学校の管理者が認めた環境で事前に確認します。
資料の数に加えて、根拠の出どころを確かめる
授業では、教科書と二つ以上の本やサイトを手がかりに確認します。ただし、三つの資料に同じことが書いてあれば、それだけで確定するわけではありません。同じ文章を転載していることもあります。誰が、いつ、何を根拠に発信したかを合わせて見ます。
記録では、「AIの主張」「確かめた資料」「一致や食い違い」「まだ分からない点」を分けられます。情報が食い違うときは、条件や時期が違わないかを考えます。すぐ決められない場合に、未確認と書けることも学びに含めます。
ワークシートに残す欄の例
| 欄 | 記録すること | 教師が確かめること |
|---|---|---|
| AIの主張 | 確かめたい一文を抜き出す | 調べる範囲が明確か |
| 確認資料 | 資料名、発信者、日付、該当箇所 | 出どころに戻れるか |
| 照合結果 | 一致・食い違い・判断保留 | 根拠と結論がつながるか |
| 次にすること | 追加で調べる点、使う際の条件 | 未確認を無理に断定していないか |
この表は、授業を再現する際の記録欄の提案です。確認した過程が残れば、正解・不正解だけでは見えない判断を教師が聞き取れます。資料を見つける速さだけで評価しないようにしたいところです。
次の言葉を考える活動を、仕組みの入口にする
単元の後半では、「次の言葉は何?」というゲームを、文章生成の仕組みを考える入口にします。前の言葉や文脈から、続く言葉を予想する活動です。ただし、このゲームだけで現在の生成AIの仕組み全体を説明できるわけではありません。文章を生成する一側面を、子どもが考えるための簡略化として扱います。
そこから、何を頼むか、どんな条件を伝えるかを考えるプロンプトの学習へつなげます。「詳しくお願いすれば必ず正しくなる」とはせず、指示を工夫しても確認が必要なことを共通の前提にします。全8時間の詳細な構成は、検討中の案と実施済みの内容を分けて残します。
確認する一文を選ぶと、45分に収めやすい
再現時の質問例は、「小学校5年生が調べます。天気の変化を調べるとき、どのようなことを観察すればよいか、短く説明してください」です。授業で使う教科書や資料に対応する題材を選び、回答から確認したい一文を取り出します。これは質問の提案で、実際にこの質問を使ったという記録ではありません。
教師は、誤った回答が必ず出ることを前提にせず、確認しやすい回答例も予備に用意できます。正しい回答が出た場合にも、根拠を示せるか、条件が省かれていないかを調べられます。間違いを見つけるゲームに限定せず、確かめた結果を説明する活動にします。
AIが挙げた出典も、そのまま確認済みの資料にはしません。掲載元を開き、本当に該当する記述があるかを見ます。見つからない場合は「出典を確認できなかった」と記録します。回答と根拠を別々に見ることが、次の調べ学習でも役立つと考えています。
評価したいのは、確かめた過程
合言葉の「確認した?」には、何で、どこを、どう確かめたのかまで含めたいと考えています。正しい回答を選べたことだけでなく、資料の出どころへ戻ったか、食い違いを説明したか、未確認を残したかを見る。情報の授業を、AIの答えを受け取る時間から、自分で判断する時間へつなげたいと思います。
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