小6のAkaDako授業|教室の明るさ・温度を測り、「ちょうどいい」を数で考える

プログラムの数字をお手本どおりに入力できても、その数字を使う理由まで分かっているとは限りません。制作をしていると、「正解の数字は?」と探したくなる場面があります。そこで、現実の様子を測り、自分たちの目的に合う境目を考える単元を組み立てました。
主に6年生を対象にした情報の授業「『ちょうどいい』を数でつくる」です。AkaDakoで教室の明るさ、温度、湿度などを測り、記録を基に条件分岐を考えます。ここでは6年生向けの全5時間の設計を軸に紹介し、他学年への展開は別の案として整理します。
| 項目 | 授業の概要 |
|---|---|
| 主な対象 | 小学校6年生 |
| 本記事の構成 | 6年生向け・全5時間の単元設計 |
| 主な道具 | AkaDako・対応するプログラミング環境 |
| 中心の問い | コンピュータは、あつい・まぶしいをどう知る? |
現実の量を数に変え、条件を自分で決める
出発点は、「何となく明るい」「少し暑い」と感じていることが、センサーではどんな値として表れるかを見ることです。数字になれば、場所や時間を比べる材料になります。ただし、一つの値だけで全員の感じ方が決まるわけではありません。感じ方と測定値を行き来して考えます。
AkaDakoは、センサーを使う計測とプログラミングに利用できる教材です。搭載するセンサーや接続方法はモデルによって異なるため、明るさ、温度、湿度など、何を測れるかを手元の機器で確認します。単元の中心は、機器の機能を網羅することではなく、測った値を判断に使うことです。

全5時間の単元計画
| 時間 | 役割と活動 | 中心に置く問い |
|---|---|---|
| 1 | 道具の時間:センサーと計測 | 現実の量は、どう数になる? |
| 2 | 探偵の時間:教室の困ったを探す | 場所や時間で、値はどう違う? |
| 3 | 発明家の時間:境目を決める | なぜその値を条件にする? |
| 4 | 発明家の時間:試して直す | 狙った場面で動く? |
| 5 | 発信者の時間:提案する | この仕組みで困る人はいない? |
ここでは、6年生向けの全5時間の単元計画を紹介します。学年や測定・条件分岐の経験に応じて、5〜7時間程度に調整する案も考えられます。子どもがデータを比べ、境目を決める理由を説明する時間を確保します。
測る場所と時間をそろえて、比べられる記録にする
測定では、場所、時刻、機器の向き、光や熱の当たり方などを一緒に記録すると、値の違いを考える材料になります。一度測った値を絶対的な答えにせず、条件をそろえて測り直すことや、同じ場所でも時間を変えて確かめることが考えられます。これは再現時の測定の工夫です。
グラフにする目的も、形を整えることだけではありません。どの場所でどんな違いがあるか、困っている場面とどうつながるかを読み取ります。値に差があっても原因をすぐ断定せず、記録した条件へ戻って説明を考える時間を入れます。
しきい値を、正解の数字探しにしない
しきい値は、「この値を境に動きを変える」と決める境目です。例えば、測定値が自分たちで決めた境目を超えたら、LEDを点灯する条件分岐が考えられます。この説明例は実測値を示すものではなく、仕組みを考えるためのものです。出力方法は使う機器に合わせて確認します。
教師は、境目の数字を答えとして先に渡すより、「どの記録を見て決めたか」「別の値にしたら何が変わるか」と問えます。実際に動かし、必要な場面で反応するかを比べることで、数字を選ぶ理由が具体的になります。目的に合う判断かを確かめることが単元の核です。
完成した仕組みと、判断の理由を評価する
| 観点 | 見取ること | 残す記録 |
|---|---|---|
| 知識・技能 | 計測、記録、グラフ化を行う | 測定条件とデータ |
| 思考・判断・表現 | 目的とデータを基に条件を決める | 境目の理由、修正前後 |
| 主体的な態度 | 試し、他者の視点も取り入れて直す | 試行の記録、提案の振り返り |
第5時の提案では、「この仕組みで困る人はいないか」も考えます。通知の音や光が、人によっては負担になるかもしれません。計測した値とプログラムがつながっただけで完成とせず、使う人や場面を含めて見直せるようにします。
境目と同じ値になったときも試す
再現時には、境目より小さい値、同じ値、大きい値の三つで動作を確かめると、条件の意味が見えやすくなります。「境目を超えたら」と「境目以上なら」では、同じ値のときの動きが違います。子どもが選んだ条件を言葉で説明し、プログラムと対応させます。
測定値が境目の近くを行き来して、音や光が何度も切り替わる場合も、仕組みを見直す材料になります。すぐに複雑な制御を教えるより、どんな場面で反応が必要か、反応が多すぎないかを考えられます。こうした動作確認は、実際の児童の結果ではなく、再現時に加えられる検証例です。
授業で決めたしきい値は、実際の暑さ対策や健康管理の基準には置き換えません。教室の環境管理は学校の定める基準と対応に従います。この単元では、測った数を使って条件を決め、その理由を説明する学習に範囲をそろえます。
他学年へは、測る・比べる・条件で動かすを段階的に
| 学年 | 展開案 | 中心に置く経験 |
|---|---|---|
| 1年 | 光と音で遊ぶ | 反応の違いに気づく |
| 2年 | 学校探検メーター | 場所を測り比べる |
| 3年 | 理科センサー | 条件をそろえて調べる |
| 4年 | 条件で動く仕組み | 数値と動作をつなぐ |
| 5年 | 環境をデータで読む | 記録を基に説明する |
| 6年 | お助け製品づくり | 目的に合う仕組みを提案する |
この表は学年別の展開案で、全学年で実施した結果ではありません。理科で扱う環境や電気の学習などとの接続も、各学年の学習内容を確認して考えます。現実を測り、数字の意味を考え、他者に提案する経験を、情報の授業の中で少しずつ広げたいと思います。
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