小5・小6のフェイクニュース授業|作り手の視点から、情報源を確かめる力を育てる

ニュースに写真が付いていると、それだけで本当らしく見えることがあります。だからこそ、画像の見た目を当てるゲームで終わらず、「誰が、どこから出した情報なのか」を確かめるところまで授業に入れたいと思いました。
5・6年生の有志を対象にした情報の授業では、生成AIを使う作り手の視点を体験し、その経験を、だまされないための対策レポートへつなげました。ここでは、活動の流れと、公開する情報への責任まで含めた学びの組み立てを紹介します。
| 項目 | 授業の概要 |
|---|---|
| 対象 | 小学校5・6年生の有志 |
| 主な道具 | Gemini for Educationの画像生成を用いた実践 |
| 中心の問い | 本当らしく見えても、何を確かめる? |
作る側から、信じてしまう理由を考える
活動では、ニュースの見出しと、根拠らしく見える画像を組み合わせる側に立ちます。狙いは、巧みにだますことを評価することではありません。見出しや画像の選び方によって受け手の判断が動くことを、制作と振り返りを通して考えるためです。
見せ合う場面では、画像の不自然さに気づくことも手がかりになります。ただし、自然に見える偽の画像も、文脈を変えて使われた本物の写真もあります。「見た目を見抜けたから安心」という結論にせず、元の情報へ戻る必要があるとつなげます。

制作から対策レポートまでの流れ
| 場面 | 主な活動 | 考えること |
|---|---|---|
| 入口 | どう見分けるかを考える | 自分が信じる手がかり |
| 制作 | 架空のニュース教材を作る | 見出しと画像が判断へ与える影響 |
| 発信の判断 | SNSに出してよいか考える | 誤解や広がりへの責任 |
| 照合 | 本物と作成物を見比べる | 見た目以外の根拠を探す |
| 転化 | 対策レポートにまとめる | 受け手として何を確かめるか |
再現する場合は、実在の人や学校、災害、事件などを題材にせず、架空の設定で行う方法が考えられます。教材であることを明示し、学習の場の外へ流さない条件を先に決めます。これらは授業を再現する際の追加提案で、今回の実践で行ったすべての措置を記録したものではありません。
画像生成が使えることを、一律の前提にしない
実践記録ではGemini for Educationの画像生成を使っていますが、現在同じ機能を児童のアカウントで使えるかは、年齢、契約、管理者の設定などによって確認が必要です。Googleの公式案内も、学校用アカウントの機能や条件が異なることを示しています。過去の実践を、そのまま全校で再現できる手順としては扱いません。
機能が使えない場合には、教師が用意した架空教材を比較する活動へ置き換えられます。この代替案でも、情報の出どころを確かめることや、公開した場合の影響を考えることは扱えます。子どもに年齢やアカウント条件を回避させる方法は取りません。
見せ合いの後に残す、確認の問い
| 見るところ | 確かめる問い | 判断を急がないために |
|---|---|---|
| 発信者 | 誰が発信している? | 肩書きや見た目だけで決めない |
| 元の資料 | 写真や主張の出どころは? | 切り抜きだけで判断しない |
| 時期と文脈 | いつ、どんな場面の情報? | 古い写真の別用途にも目を向ける |
| 別の根拠 | 独立した資料と合う? | 転載の多さを根拠の多さと混同しない |
対策レポートでは、「注意する」「気をつける」という言葉に加えて、何を確認するかを書けると、行動につながります。例えば、画像があることを根拠にしていたなら、次は画像の元の掲載先を見る、と整理できます。この例は、振り返りを具体化するための提案です。
発信者として、誰に何が起こるかを考える
「SNSに出してよいか」を活動の途中で問い、受け取る側だけでなく発信する側の判断も考えました。冗談のつもりでも、学習の文脈を知らない人へ届けば誤解につながることがあります。後から訂正すればよいと簡単に済ませず、公開前に考える時間を作ります。
評価では、作成物のもっともらしさだけを見ません。どの手がかりを信じたのか、情報源に戻ったのか、発信した場合の影響を説明したのかを見ます。作る側で得た気づきを、自分や他者を守るための確認へ転化できることを目指します。
対策レポートは、次にする行動まで書く
振り返りを再現するなら、「作る側に立って気づいたこと」「自分が信じかけた手がかり」「次に確かめること」の三つに分けて書けます。画像が付いているだけで確かだと思ったなら、次は元の掲載先と説明を確認する。実践で得た気づきを、自分が取る行動へ置き換えるための記録欄です。
比較教材に本物のニュースを使う場合も、発行元、日付、元の記事を教師が確認して選びます。子どもには結論だけを渡すのではなく、どの資料に戻れば確かめられるかを示します。見分けられなかったことを責めず、判断を保留して調べ直す選択を認めます。
最後の問いは、「だませたか」より「発信する前に何を確かめるか」に戻します。制作が盛り上がったときほど、何のためにこの活動をしたのかを振り返る時間を省かないようにしたいところです。
見分ける力から、立ち止まる習慣へ
この授業で大切にしたのは、偽物をすべて見抜く自信を持たせることではなく、確かめる前に一度立ち止まることです。生成AIの性能が変わっても、出どころや文脈を確かめるという考え方は残ります。制作の面白さを入口にしながら、最後は自分の情報とのつきあい方へ戻す授業にしたいと考えています。
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教材・利用条件の確認先
利用できる機能や条件は更新されます。掲載前と授業前に、学校で使う環境と公式案内を確認してください。








