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次期学習指導要領はどう変わる?小学校の改訂ポイントと授業例【2026年】

植物の観察を通じて、実物・ノート・タブレットを使う子どもが学びを共有する授業のイメージ
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次の学習指導要領の話を読むと、「明日の授業では、何を変えればいいんだろう」と考えます。低学年の授業や情報探究を担当する立場から、私ならまず、子どもへの声かけを見直すところから始めたいです。「どこを見てそう思った?」「ここまではできたんだね」「もう一度やるなら、何を変えたい?」。改訂の大きな言葉も、こうした教室でのやり取りにつなげると考えやすくなります。

この記事では、次期学習指導要領に向けた2026年10月5日の審議まとめを、現行との比較と公開されている学校の事例で整理しています。各項目には、低学年の算数、秋探し、iPadでの撮影、国語の読み取りなど、「自分の学級ならこう試してみたい」という授業案を添えました。担当学年や、今気になっている場面から読んでみてください。

植物の観察を通じて、実物・ノート・タブレットを使う子どもが学びを共有する授業のイメージ
授業のイメージ:実物の観察、ノートへの記録、写真の比較など、異なる学び方を対話でつなぎます。本記事用のAI生成イラストで、文部科学省の資料画像や実在の学校の写真ではありません。

「実際の事例」は、リンク先の公開資料にある学校の取り組みです。その後の声かけや授業案は、私が教室で試すならどうするかを考えた提案として書いています。実施済みの実践報告ではないので、子どもの様子や学校の方針に合わせて調整してください。

2026年10月11日更新:声かけと授業案を、低学年・情報探究の場面に合わせて加筆しました。

Contents
  1. 次期学習指導要領の改訂ポイント:14項目の目次
  2. 最初に整理したい3つのこと
  3. 第1回 次期学習指導要領の改訂:深い学び・多様性・実現可能性
  4. 第2回 主体的・対話的で深い学び:理由と根拠を説明する授業
  5. 第3回 学習指導要領の表形式化・デジタル化で何が変わる?
  6. 第4回 自己調整学習:自分で選び、確かめ、学び方を直す
  7. 第5回 個別最適な学びと協働的な学びをつなぐ授業
  8. 第6回 学びの多様性:すべての子どもが参加しやすい授業
  9. 第7回 小学校の総合的な学習と情報教育:検討されている領域
  10. 第8回 小学校低学年の情報活用能力:生活科などで育てる力
  11. 第9回 小学校の生成AI活用:学ぶ目的と確認手順を決める
  12. 第10回 情報の信頼性をどう確かめる?発信者と目的を読む
  13. 第11回 探究学習の問いのつくり方:子どもの関心から始める
  14. 第12回 小学校の学習評価:振り返りを次の学びにつなげる
  15. 第13回 授業時数と教師の研修:学びを支える余白の検討
  16. 第14回 特別活動と学校行事:子どもの声を活動づくりに生かす
  17. 次期学習指導要領の校内研修:20分で単元を見直す方法
  18. 単元計画に書き込むための確認表
  19. よくある疑問
  20. 授業づくりを続けて考える
  21. 公式資料と更新について
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次期学習指導要領の改訂ポイント:14項目の目次

  1. 第1回 次期学習指導要領の改訂:深い学び・多様性・実現可能性
  2. 第2回 主体的・対話的で深い学び:理由と根拠を説明する授業
  3. 第3回 学習指導要領の表形式化・デジタル化で何が変わる?
  4. 第4回 自己調整学習:自分で選び、確かめ、学び方を直す
  5. 第5回 個別最適な学びと協働的な学びをつなぐ授業
  6. 第6回 学びの多様性:すべての子どもが参加しやすい授業
  7. 第7回 小学校の総合的な学習と情報教育:検討されている領域
  8. 第8回 小学校低学年の情報活用能力:生活科などで育てる力
  9. 第9回 小学校の生成AI活用:学ぶ目的と確認手順を決める
  10. 第10回 情報の信頼性をどう確かめる?発信者と目的を読む
  11. 第11回 探究学習の問いのつくり方:子どもの関心から始める
  12. 第12回 小学校の学習評価:振り返りを次の学びにつなげる
  13. 第13回 授業時数と教師の研修:学びを支える余白の検討
  14. 第14回 特別活動と学校行事:子どもの声を活動づくりに生かす

最初に整理したい3つのこと

整理すること 記事での扱い
現行の内容 今の授業と評価の基準。次期の議論と比較する出発点。
次期の方向性 審議まとめで示された検討の方向。正式な告示と区別する。
明日の授業の工夫 現行に沿って試す発問や教材の例。制度変更を先取りしない。

第1回 次期学習指導要領の改訂:深い学び・多様性・実現可能性

『深い学び』『多様性』『実現可能性』と並ぶと、大きな改革をしなければならないように感じます。ただ、授業を考えるときには、もっと目の前の場面から始められます。答えは出たけれど説明できない子、やり方が分からず止まっている子。その子が次の一歩を出せるように、何を足せばよいかを考えてみます。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
深い学びを重視。何ができるようになるかを3つの資質・能力で整理。 深い学びの実装、多様性の包摂、実現可能性の確保を一体で進める方向。
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第1回 次期学習指導要領の改訂:深い学び・多様性・実現可能性。現行:深い学びを重視。何ができるようになるかを3つの資質・能力で整理。 次期の方向性:深い学びの実装、多様性の包摂、実現可能性の確保を一体で進める方向。 実際の事例:札幌市立中央小学校。児童が学習計画を立て、方法や順序を選び、友達の考えも参照。 提案:単元の目標と、子どもが選べる場面を1つ書き出す。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第1回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:札幌市立中央小学校

児童が学習計画を立て、方法や順序を選び、友達の考えも参照。

実践の出典を読む。

低学年の算数なら、『その10はどこから来たの?』

例えば、1年生の繰り上がりのある足し算です。答えを言えた子には、私なら『できたね。じゃあ、その10はどこから来たの?』と聞いてみます。指だけで説明しにくければブロックを動かしてもらい、図で考えたい子には丸を描ける紙を渡す。最初から全員分の別教材を作るより、同じ問題を説明するための手掛かりを用意します。

説明で止まったときも、すぐに最初から教え直すとは限りません。『どこまでは分かった?』『ここにあるブロックは、式のどの数かな?』と戻る場所を一緒に探します。答えが合ったところだけでなく、説明し直せたところにも言葉を返したいです。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
答えが出たあと 式とブロックを並べて見る その10は、どこから来たの?
説明が止まったら 分かっているところに戻る ここまでは分かる? 一緒に動かしてみよう
方法を選ぶとき 図とブロックを少しずつ試す どっちだと、お友達に話せそう?

見たいのは、難しいやり方を選んだかではなく、数のまとまりを使って説明できたかです。活動が増えて準備に追われるなら、まずは最後の問いを一つ変えるだけでもよいと思います。

方向性の確認箇所:第1部 第2章(1)p6–7。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第2回 主体的・対話的で深い学び:理由と根拠を説明する授業

話合いがにぎやかだと、授業がうまく進んだように見えます。でも、子どもが『いいと思います』と言った理由までは、こちらに見えていないことがあります。理由を言わせるために問い詰めるより、『先生にも、そのときのことを教えて』と、考えのもとになった出来事を聞いてみたいです。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
知識を関連付け、情報を精査して考えをつくる授業改善を重視。 知識のつながりを理解し、別の場面でも使える学びを一層重視。
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第2回 主体的・対話的で深い学び:理由と根拠を説明する授業。現行:知識を関連付け、情報を精査して考えをつくる授業改善を重視。 次期の方向性:知識のつながりを理解し、別の場面でも使える学びを一層重視。 実際の事例:広島市立牛田小学校・小6国語。運動会の話合いを「主張・理由・事例」で進め、総合や行事と接続。 提案:「そう考えた理由は?」に、具体例を1つ添える。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第2回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:広島市立牛田小学校・小6国語

運動会の話合いを「主張・理由・事例」で進め、総合や行事と接続。

実践の出典を読む。

遊びを決める話合いで、『楽しそう』の続きを聞く

『鬼ごっこがいい』という意見が出たら、『楽しそうだね。どんなところがいいと思った?』と受け止めます。『みんなでできるから』と返ってきたら、『前に遊んだとき、待っている人はいた?』と、思い出せる場面につなげます。低学年でいきなり『根拠を述べて』とは言わず、経験をたどれる聞き方を考えます。

一方で、『走るのが苦手だから嫌だ』という声も、遊びを考える大事な材料です。『それならやめよう』とすぐ結論にせず、『歩く鬼ごっこならどうかな』『別の役があったら一緒にできそう?』と、ルールを変える余地を探します。友達の話を聞いて案が少し変わったところまで扱いたい活動です。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
案を出す 好きな遊びと、その理由を聞く どんなところが楽しい?
経験をたどる 前に遊んだ場面を思い出す そのとき、みんなはどうしていた?
案を直す 困る場面に合うルールを考える ここを変えたら、一緒にできそう?

全員にその場で発言させなくても、先に短いメモを書く、隣の子に話すといった入り口を作れます。『友達の話を聞いて、このルールを足した』と言えたら、話合いが案づくりにつながったことを確かめられます。

方向性の確認箇所:第1部 第2章(2)p8–9。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第3回 学習指導要領の表形式化・デジタル化で何が変わる?

文部科学省の資料図で見る「表形式化」の検討案

次の図は、教科の内容と育てたい資質・能力の関係を、表で読み取りやすくするための構造案です。①は知識・技能と思考・判断・表現を左右に、②は上下に置いて関係を示しています。具体的な教科内容や学年配当が決まった表ではありません。

文部科学省の検討資料:表形式による構造化パターン①、並列パターン
出典:文部科学省「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日)、資料内18ページ。原資料PDFを開く。PDFの該当ページを画像化して掲載。内容の加筆・変更はしていません。
文部科学省の検討資料:表形式による構造化パターン②、並行パターン
出典:同資料の資料内19ページ。原資料PDFを開く。PDFの該当ページを画像化して掲載。内容の加筆・変更はしていません。

読み方の例:単元を考えるときは、「覚える知識」だけでなく、「その知識を使って何を説明・判断できるようにするか」も横に並べて確かめます。これは図を授業づくりに生かすための本記事の提案です。

掲載条件:文部科学省ウェブサイト利用規約と規約の別紙を確認(2026年10月10日)。出典を明記し、写真・装飾イラスト・ロゴ・第三者の権利表示がある図は転載対象から除外しています。

単元計画を書いていると、『写真を撮る』『発表する』で欄が埋まることがあります。そこで一度、『その写真で、子どもに何を見つけてほしいんだろう』と立ち止まります。指導要領が表で見やすくなるという議論も、活動の名前と学ぶ内容を行き来できるか、という授業準備の話につなげて読めそうです。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
教科の目標・内容を3つの資質・能力の柱で整理して示す。 構造化・表形式化・デジタル化で、目標や学年間の関連を見やすくする方向。
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第3回 学習指導要領の表形式化・デジタル化で何が変わる?。現行:教科の目標・内容を3つの資質・能力の柱で整理して示す。 次期の方向性:構造化・表形式化・デジタル化で、目標や学年間の関連を見やすくする方向。 実際の事例:札幌市立中央小学校。単元の見通しを表で示し、児童が学習の進め方を考える。 提案:単元計画に「何を理解し、何に使うか」の欄を足す。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第3回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:札幌市立中央小学校

単元の見通しを表で示し、児童が学習の進め方を考える。

実践の出典を読む。

秋探しの計画を、『写真を撮る』からもう一段具体的にする

生活科の秋探しなら、計画に『iPadで撮影』と書くだけでなく、『春の写真と並べ、葉の色や木の様子の違いに気付く』まで書いてみます。授業での声かけも、『秋を撮ってきて』から、『前に来たときと違うところを、一つ教えて』へ変えられます。過去の写真がなければ、今見つけた二つの葉を比べる活動にします。

発表の場面では、『どうして、その写真を見せたかったの?』と聞きます。画面の中に伝えたい部分が写っていなければ、撮り直す、指で示す、実物を持ってくるなど、伝えるための工夫を一緒に考えます。撮影が終わることと、気付きが伝わることを分けて準備したいです。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
計画に書くこと 見つけてほしい変化を決める 前に来たときと、どこが違う?
写真を選ぶ場面 伝えたい部分が見えるか確かめる 見つけたところは、写真のどこ?
友達に伝える場面 写真と子どもの説明を合わせて聞く この写真で、何を教えたい?

単元計画の書式を大きく変えるより、『この活動で何を見たいか』を一行足すところから始められます。写真や作品がたくさん残っても、授業の目標とつながらなければ評価には使いにくいので、準備の段階で絞っておきます。

方向性の確認箇所:第1部 第3章(2)(4)(5)p13–21。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第4回 自己調整学習:自分で選び、確かめ、学び方を直す

自分で選ぶ学習は、『好きなものを選んでね』だけだと、子どもも迷います。特に低学年では、選べる方法をまず一緒に試す時間がほしいです。自分でできるようにするために、最初は教師がそばで『ここを見ればよさそう』と手掛かりを出す。その支え方も含めて考えます。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
習熟や興味・関心に応じた学習など、個に応じた指導を充実。 教材や方法を選び、振り返って調整できる学習過程を一層充実。
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第4回 自己調整学習:自分で選び、確かめ、学び方を直す。現行:習熟や興味・関心に応じた学習など、個に応じた指導を充実。 次期の方向性:教材や方法を選び、振り返って調整できる学習過程を一層充実。 実際の事例:天童市立天童中部小学校。「マイプラン学習」で、児童が国語・算数等の学習を計画して進める。 提案:選ぶだけでなく「なぜ選び、どう直したか」を聞く。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第4回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:天童市立天童中部小学校

「マイプラン学習」で、児童が国語・算数等の学習を計画して進める。

実践の出典を読む。

算数の練習で、『どっちなら確かめられそう?』

例えば、2年生の計算練習で、式を書いて考える方法と、図にして確かめる方法を用意します。いきなり『自分に合う方を選ぼう』とは言わず、同じ問題で両方を少し試してから、『さっき分かりやすかったのは、どっちだった?』と聞きます。方法を選ぶ材料を持ってから進める案です。

途中で手が止まった子には、『もう少し一人で考える? 一緒に最初のところをやる?』と相談します。選び直したときに『さっきの方法は失敗』とは扱わず、『試してみたから、分かったことがあったね』と返します。分からないまま同じ方法を続けるより、助けを求めたり戻ったりできることを支えたいです。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
選ぶ前 二つの方法を教師と試す さっき、分かりやすかったのはどっち?
手が止まったら 一人で考えるか、助けを借りるか相談する どこから一緒にやってみようか?
練習のあと 選んだ方法と理解を振り返る このやり方で、分かったことは何?

『難しい問題を選べた』『たくさん解けた』だけで見ないようにします。最初は説明できなかったところを話せたか、自分から相談できたかなど、その時間に確かめたい姿を決めておきます。相談するのが難しい子には、合図や声をかけるタイミングも用意します。

方向性の確認箇所:第1部 第3章(10)p26–27/事例p61。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第5回 個別最適な学びと協働的な学びをつなぐ授業

友達の考えを見る時間を作っても、写して終わることがあります。共有したあとに、自分のノートや最初の考えへ戻る時間を少し残しておきたいです。変わったところだけでなく、『友達の考えを聞いても、ここは同じように思う』という理由も聞けると、やり取りの中身が見えてきます。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
対話を通じて考えを広げ、深める学習を重視。 個に応じた学習過程を、他者との対話や協働とともに充実。
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第5回 個別最適な学びと協働的な学びをつなぐ授業。現行:対話を通じて考えを広げ、深める学習を重視。 次期の方向性:個に応じた学習過程を、他者との対話や協働とともに充実。 実際の事例:札幌市立発寒東小学校。振り返りを共有し、友達の気づきや学び方を次の学習に生かす。 提案:友達の考えを見た後「自分はどう変わった?」を聞く。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第5回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:札幌市立発寒東小学校

振り返りを共有し、友達の気づきや学び方を次の学習に生かす。

実践の出典を読む。

国語で、『同じ気持ちでも、見ていた言葉は違う?』

登場人物の気持ちを考えるなら、最初に本文の言葉を一つ選び、印を付けておきます。二人とも『うれしい』と答えていても、『どの言葉から、そう思った?』と聞くと、注目した場所は違うかもしれません。答えの言葉をそろえるより、本文に戻って話せるようにしたいです。

友達の話を聞いたあとは、『自分の印のほかに、気になった言葉はあった?』ともう一度読む時間を取ります。書くのが大変な子は、付箋を置く、指で示す方法でも始められます。考えを変えた子には『どの言葉が気になったの?』、変えなかった子には『もう一度読んで、どう思った?』と聞き分けます。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
一人で読む 気持ちを考えた本文の言葉に印を付ける どの言葉を見て、そう思った?
二人で話す 同じ答えでも、選んだ言葉を比べる 同じところを見ていた?
本文へ戻る 印を足すか、そのままにするか考える もう一度読んで、気になったところは?

全員の考えを毎回画面に並べる必要はありません。隣の子と本文を指し合うだけでも始められます。共有した記録の量より、そのあと子どもが本文をどう読み直したかを見ます。

方向性の確認箇所:第1部 第3章(3)(10)p15–18、26–27。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第6回 学びの多様性:すべての子どもが参加しやすい授業

端末を使う時間に手が止まっている子を見ると、『さっき説明したよね』と言いたくなる場面があるかもしれません。でも、話を聞きながら画面を操作するのは、その子には難しかったのかもしれない。まずは『どこまではできた?』から聞き、今困っているところに合わせて説明を短くしたいです。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
個々の障害や学習上の困難に応じ、指導方法や内容を工夫。 多様な実態に応じた調整と、安心して学べる環境を一層重視。
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第6回 学びの多様性:すべての子どもが参加しやすい授業。現行:個々の障害や学習上の困難に応じ、指導方法や内容を工夫。 次期の方向性:多様な実態に応じた調整と、安心して学べる環境を一層重視。 実際の事例:文科省 StuDX Style掲載事例。必要な子の端末に操作メモを貼り、いつでも手元で参照できるようにする。 提案:困った時に自分で参照できる手掛かりを1つ置く。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第6回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:文科省 StuDX Style掲載事例

必要な子の端末に操作メモを貼り、いつでも手元で参照できるようにする。

実践の出典を読む。

iPadの提出で止まったら、『写真は撮れたんだね』から始める

写真の提出がうまくいかない場面なら、私なら『写真は撮れたんだね。送るところを一緒に見よう』と、できているところを確かめます。撮影の説明から全部やり直すより、『次はこのボタン』と一つだけ示し、子どもが自分で押すのを待つ方法が考えられます。教師がすべて操作して終わらせないことも意識します。

手元のカードには、画面の絵と『撮る・選ぶ・送る』の短い言葉を置きます。説明を全部書き込むより、その子が迷う一か所を目立たせる方が使いやすいかもしれません。使ったあとは『この絵で分かった? どこが見つけにくかった?』と聞き、子どもと直します。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
できたところを聞く 今の画面を一緒に確認する 写真は撮れたんだね。次はどこで迷った?
一つずつ進める 必要なボタンを示し、自分で操作するのを待つ 次はこれを押してみよう
支援を直す カードの分かりにくい部分を確かめる この絵、すぐに見つかった?

操作が苦手なのか、課題の意味が分からないのかでも支え方は変わります。提出の練習が目標でない時間には、教師が受け取って紹介するなど別の方法も考え、操作でつまずいたために発見を伝える機会まで失わないようにします。

方向性の確認箇所:第1部 第2章(3)、第4章/事例PDF7ページ。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第7回 小学校の総合的な学習と情報教育:検討されている領域

情報教育を考えると、新しいアプリや操作の一覧から準備したくなります。ただ、探究の途中で『この写真では伝わらない』『何を比べればいいか分からない』という困りごとが出たときこそ、情報の扱い方を学ぶ場面にできます。子どもが伝えたいことから、必要な操作や整理の方法を考えます。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
情報活用能力を教科横断で育成。総合では探究の過程を重視。 小学校総合を「探究の領域」「情報の領域」で構成する方向。
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第7回 小学校の総合的な学習と情報教育:検討されている領域。現行:情報活用能力を教科横断で育成。総合では探究の過程を重視。 次期の方向性:小学校総合を「探究の領域」「情報の領域」で構成する方向。 実際の事例:広島市立牛田小学校。行事の課題を選び、共同編集のシートで振り返りを共有。 提案:今の総合の「集める・整理する・伝える」を見直す。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第7回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:広島市立牛田小学校

行事の課題を選び、共同編集のシートで振り返りを共有。

実践の出典を読む。

公園を紹介するなら、『誰に、何を教えたい?』

中学年の地域探究で、公園を紹介する案を考えます。まず『初めて来る人に、何を教えてあげたい?』と聞くと、遊具、休める場所、入り口など、集める情報を絞りやすくなります。低学年の情報探究へつなぐなら、『新しく入学する1年生に、学校のどこを教えたい?』と校内紹介に置き換えることもできます。

写真を何枚も撮る前に、『その人が知りたいことは、何かな』と相談します。紹介を作る途中で『見てきたこと』『資料で読んだこと』『自分が思ったこと』を分けると、説明を聞く友達にも伝わりやすくなります。情報の整理は、完成直前に付け足す作業にしない方が授業へ組み込みやすそうです。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
相手を決める 紹介を読む人を具体的に考える 初めて来る人は、何を知りたいかな?
必要な情報を集める 写真や観察のメモを目的に合わせて選ぶ この写真で、それが分かりそう?
紹介を見直す 事実と感想を分けて読む これは見て分かったこと? 自分が思ったこと?

校外での調査や撮影は、安全な範囲と学校で認められた方法を先に決めます。人物の写り込みや公開範囲にも配慮します。ここで紹介するのは現行の学習に沿った案で、検討中の『情報の領域』の先行実施ではありません。

方向性の確認箇所:第2部 情報・技術、情報 p239、総合 p327–329。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第8回 小学校低学年の情報活用能力:生活科などで育てる力

1年生の撮影活動では、写真が増えるほど夢中になれても、『何を見つけたの?』と聞くと答えに迷うことがあります。そこで、カメラを開く前に、目で見たことや触って気付いたことを一度話してもらいます。見つけたことを友達に届けるために写真を使う、という順番を大切にしたいです。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
発達段階を踏まえ、各教科で情報活用能力の基礎を育成。 低学年は各教科の体験的な活動を通じ、基本操作などの基礎を育成。
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第8回 小学校低学年の情報活用能力:生活科などで育てる力。現行:発達段階を踏まえ、各教科で情報活用能力の基礎を育成。 次期の方向性:低学年は各教科の体験的な活動を通じ、基本操作などの基礎を育成。 実際の事例:文科省 StuDX Style掲載事例。身近なものを撮影し、写真を選んで、選んだ理由とともに友達へ紹介。 提案:秋探しなら、実物を見る→撮る→選ぶ→理由を話す。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第8回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:文科省 StuDX Style掲載事例

身近なものを撮影し、写真を選んで、選んだ理由とともに友達へ紹介。

実践の出典を読む。

1年生の秋探しなら、『見つけたところを指で教えて』

秋探しで葉を見つけたら、『どこがおもしろいと思った? 指で教えて』と声をかけます。端がギザギザしている、裏と表で色が違うなど、その子が見た部分を確かめてから、『そこがお友達にも見えるように撮れるかな』と撮影へつなぎます。身近な葉も、安全に触れられるものを教師が確認しておきます。

写真を選ぶときは、『一番きれいな写真』だけを基準にせず、『見つけたことを話せる一枚を選ぼう』と伝えます。写真にうまく写らなかった子には、撮り直しやスケッチも提案できます。発表では、聞く子にも『どこを見てほしいって言っていた?』と問い、写真と話を一緒に受け取る活動にします。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
撮る前に見る 実物で気になった部分を指して話す 見つけたところを、指で教えて
写真にする 伝えたい部分が見える撮り方を試す そこが見えるように撮れるかな?
一枚を選ぶ 気付きを話せる写真を選ぶ この写真で、何を教えたい?
友達に紹介する 写真を指して説明し、聞き手も確かめる どの部分のことか、見つけられた?

撮影の前には『歩くときは画面を見ない』『撮る場所で止まってから持つ』など、子どもが行動に移せる短い約束にします。教室へ戻ってからの話す時間も残したいので、撮影枚数や活動時間は学級に合わせて絞ります。端末が使えない場合も、絵や実物で気付きを伝えられます。

方向性の確認箇所:第2部 情報・技術、情報 p250/事例PDF11ページ。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第9回 小学校の生成AI活用:学ぶ目的と確認手順を決める

生成AIの話をするときは、『何ができるか』に加えて、『返ってきたものを、誰がどう確かめるか』まで考えたいです。低学年なら、まず教師の教材づくりで使う方法もあります。子どもの利用と教師の準備での利用を分け、授業の目的に合わせて無理のない範囲を選びます。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
情報活用能力を育成し、情報手段を適切に活用する学習を充実。 発達段階に応じ、AIの特性・リスクと、適切で効果的な活用を学ぶ方向。
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第9回 小学校の生成AI活用:学ぶ目的と確認手順を決める。現行:情報活用能力を育成し、情報手段を適切に活用する学習を充実。 次期の方向性:発達段階に応じ、AIの特性・リスクと、適切で効果的な活用を学ぶ方向。 実際の事例:東京学芸大学附属小金井小学校・小5。AIで英会話を練習。認識の難しさに応じて、教師が使い方を調整。 提案:何を練習するのかと、AIの苦手な点を先に確かめる。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第9回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:東京学芸大学附属小金井小学校・小5

AIで英会話を練習。認識の難しさに応じて、教師が使い方を調整。

実践の出典を読む。

教師の準備で使うなら、声かけ案を比べて選び直す

例えば、秋探しで子どもの観察を促す声かけを、AIに複数出してもらう使い方です。『小学校1年生に、葉の色や形をよく見るための声かけを3つ。難しい用語を使わず、気付きを大人が先に言い切らない形にしてください』と依頼します。児童の名前や、その子と分かる情報を入れる必要はありません。

返ってきた『植物の形態の違いを比較しよう』という案を、そのまま読むのは難しそうです。『この二つの葉っぱ、同じところはある?』と、自分が教室で言える言葉に直します。便利そうな案でも、『この学級なら答えられそうか』『子どもが自分で見つける余地があるか』を教師が確かめます。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
依頼を具体的にする 対象学年、観察するもの、必要な声かけの数を伝える 子どもに何を見てほしい?
出力を読む 用語、内容の正しさ、誘導しすぎないかを確認する 自分が教室で、そのまま言える?
授業の言葉に直す 教材を見ながら言いやすい問いへ修正する この二つ、同じところはある?

AIを授業で児童に使わせる場合は、学校の方針、対象年齢、利用規約、個人情報の扱いを別に確認します。上の例は教師の準備での活用案です。公開事例の英会話を支援するAIと、文章などを生成する一般向け生成AIは同じものとして扱いません。

方向性の確認箇所:第2部 情報・技術、情報 p247。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第10回 情報の信頼性をどう確かめる?発信者と目的を読む

『インターネットの情報をそのまま信じない』という注意だけでは、子どもは次に何をすればよいか迷います。誰が書いたか、いつの情報か、何を伝えたいかを、実際の教材を見ながら探す時間を作ります。『まだ分からない』と言えることも、情報を読んだ結果として受け止めたいです。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
情報モラルを含む情報活用能力を、教科横断で育成。 メディアリテラシーを明確化し、情報の吟味や判断の留保を体系的に学ぶ方向。
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第10回 情報の信頼性をどう確かめる?発信者と目的を読む。現行:情報モラルを含む情報活用能力を、教科横断で育成。 次期の方向性:メディアリテラシーを明確化し、情報の吟味や判断の留保を体系的に学ぶ方向。 実際の事例:情報・技術WGで報告された高校の実践。商品のパッケージから、情報を発信する側の意図を考える活動。 提案:小学校への応用案:同じ商品の2つの説明を比べる。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第10回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:情報・技術WGで報告された高校の実践

商品のパッケージから、情報を発信する側の意図を考える活動。

実践の出典を読む。

二つの紹介文を比べて、『これだけで決められる?』

教師が作った架空のお菓子の紹介文を二つ並べます。一つには『とてもおいしい』、もう一つには量や値段が書いてあるとします。『どっちがよさそう?』と聞いたあと、『今、何を見て選んだ?』と理由を聞くと、好みと比較に使える情報を分けて考えられます。

『安い方がいい』という声には、『何個入っているかは分かる?』と必要な条件を足します。書いた人も確かめ、『売っている人は、どこを知ってほしいのかな』『食べた人の感想だけで、みんな同じように思うかな』と聞きます。どちらかを正解にするより、足りない情報を挙げるところまで扱います。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
選んだ理由を話す どの言葉や数字を見たか確かめる 今、何を見て選んだ?
書き手を見る 発信した人と、伝えたい内容を探す 誰が、どこを知ってほしいのかな?
判断の前に止まる 比べるために不足している情報を挙げる これだけで決められる? あと何が知りたい?

広告にも確かめられる事実はありますし、個人の感想が必ず正しいわけでもありません。『どこに書いてある?』『他でも確かめられる?』と戻れる聞き方にします。教材は架空だと示し、実在の企業や人の信用を根拠なく下げる例にはしません。

方向性の確認箇所:第2部 情報・技術、情報 p247/WG第5回 春日井委員報告。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第11回 探究学習の問いのつくり方:子どもの関心から始める

子どもが『なんで?』と言ったとき、すぐ調べ方を教えたくなります。でも、その前に、何を見て不思議に思ったのかを聞きたいです。同じ体験のあとでも気になることは違うので、全員の問いを最初から一つにそろえず、どこまで自分たちで確かめられそうかを一緒に考えます。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
自ら課題を設定し、情報収集・整理分析・まとめ表現へ進む。 共通テーマの探究と、一人一人の関心から始める探究を組み合わせる方向。
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第11回 探究学習の問いのつくり方:子どもの関心から始める。現行:自ら課題を設定し、情報収集・整理分析・まとめ表現へ進む。 次期の方向性:共通テーマの探究と、一人一人の関心から始める探究を組み合わせる方向。 実際の事例:広島市立牛田小学校・小6。運動会の表現演技・団体競技から話し合いたい課題を選ぶ。 提案:共通体験の後に「自分が気になったこと」を集める。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第11回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:広島市立牛田小学校・小6

運動会の表現演技・団体競技から話し合いたい課題を選ぶ。

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秋探しの『なんで?』を、次に見に行くことへつなぐ

『どうしてこの葉っぱだけ赤いの?』と聞かれたら、『よく見つけたね。周りの葉っぱは、どうなっている?』と戻します。その場で理由を説明する前に、同じ木の葉や別の木の葉も見て、色の違いを確かめる活動にできます。比較しただけで原因まで分かったことにはせず、観察で言えることを一緒に整理します。

教室では、見つけたものを真ん中に置き、色、形、場所など、気になったことを周りに足す簡単なウェビングも使えます。『全部を調べなくていいよ。次に見に行くなら、何を確かめたい?』と、一つ選べるようにします。低学年では完成された研究テーマより、もう一度見たいことが生まれるところから始めたいです。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
不思議を聞く その子が見た部分を確かめる 何を見て、不思議だと思った?
気付きを広げる 周りや似たものを見て、メモをつなぐ ほかにも、同じような葉っぱはある?
次の活動を決める 時間と安全を考えて、確かめることを選ぶ もう一度見に行くなら、何を見たい?

問いが出にくい子には、教師が用意した二つのものを並べ、『同じところと違うところを探そう』と始める方法もあります。危険な場所へ行く、未知の植物を触るなどの調べ方は避け、安全にできる範囲を教師が決めます。低学年のこの案は生活科などでの活動を想定しています。

方向性の確認箇所:第2部 総合 p321–324。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第12回 小学校の学習評価:振り返りを次の学びにつなげる

振り返りに『楽しかったです』と書いてあっても、その一文をすぐに書き直させる必要はないと思います。どの場面が楽しかったのか、そこで何ができたのかを聞くと、次の学習へつながる話が出るかもしれません。低学年なら、文章の長さを増やすより、授業中のやり取りも合わせて見たいです。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
3観点で学習状況を評価。よさや進歩を捉え、学習・指導改善につなげる。 学びに向かう力は、総合所見の個人内評価と「思・判・表」への○付記を検討。
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第12回 小学校の学習評価:振り返りを次の学びにつなげる。現行:3観点で学習状況を評価。よさや進歩を捉え、学習・指導改善につなげる。 次期の方向性:学びに向かう力は、総合所見の個人内評価と「思・判・表」への○付記を検討。 実際の事例:旭川市立西御料地小学校・小6外国語。交流や動画を使い、できたこと・課題を振り返って次の活動につなげる。 提案:「次に何を変える?」を振り返りに1つ加える。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第12回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:旭川市立西御料地小学校・小6外国語

交流や動画を使い、できたこと・課題を振り返って次の活動につなげる。

実践の出典を読む。

『楽しかった』に、『どのとき?』と返してみる

写真を使った紹介のあとなら、『どのときが楽しかった?』と聞きます。『友達に見せたとき』と返ってきたら、『どの写真を見せたの?』『お友達は、何て言っていた?』とたどります。『ギザギザのところが分かったと言ってくれた』まで話せたら、写真と説明がどう伝わったかを一緒に振り返れます。

次は『もっと頑張ろう』だけで終えず、『今度はどこを大きく撮りたい?』『話す前に、どの言葉を用意しておこうか』と、変えるところを一つにします。私なら『最初の写真では見えにくかったけれど、撮り直して伝えられたね』のように、取り組みの変化を具体的に返したいです。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
感想を聞く 楽しかった場面をたどる どのときが楽しかった?
できたことを確かめる 作品と友達の反応を見直す この写真で、どこまで伝わったかな?
次に変えることを選ぶ 撮り方や説明の言葉を一つ決める 次は、どこを変えてみたい?

こうしたやり取りは、授業を進めるための振り返りです。成績の評価は、現行制度と学校の方針に沿って、目標に応じた複数の資料から判断します。次期の評価方法の検討を理由に、現在の観点を独自に変更することはしません。

方向性の確認箇所:第1部 第6章 p61–68。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第13回 授業時数と教師の研修:学びを支える余白の検討

研修のために資料を一から作ると、研修が終わったあとに仕事が残ることもあります。授業で使う一枚や、迷っている声かけをそのまま持ち寄る形なら、翌日の準備につなげやすそうです。『今日の研修で、明日の何が一つ決まるか』を先に置いて考えます。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
標準授業時数を基に編成。指定を受ける授業時数特例校制度もある。 内容を扱う前提で時数を調整し、学習支援や研究・研修等へ充てる制度を検討。
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第13回 授業時数と教師の研修:学びを支える余白の検討。現行:標準授業時数を基に編成。指定を受ける授業時数特例校制度もある。 次期の方向性:内容を扱う前提で時数を調整し、学習支援や研究・研修等へ充てる制度を検討。 実際の事例:札幌市立発寒東小学校。授業動画や指導案等をクラウドで共有し、対話を伴う校内研修を実施。 提案:生まれた時間で何を改善するか、研修の目的を決める。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第13回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:札幌市立発寒東小学校

授業動画や指導案等をクラウドで共有し、対話を伴う校内研修を実施。

実践の出典を読む。

ICT研修なら、『最初の一回を一緒にやる』時間にする

新しい共有方法を紹介する研修なら、機能を一通り説明するより、『撮った写真を、決めた場所に一枚出してみる』ところまで一緒にやる案です。分かる人は先へ進めますが、初めての人には『今、どの画面ですか』『ここまではできましたか』と確かめ、同じ操作をもう一度試せるようにします。

操作を終えたら、『自分の授業だと、何を出してもらいますか』と聞きます。便利そうで終わらず、使う教材、子どもへの説明、共有する範囲まで決める。最後は『明日、これだけ試してみよう』が一つ残る研修を考えたいです。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
一つに絞る 紹介する操作と授業の場面を決める 今日は、何ができれば持ち帰れそうですか?
一緒に操作する 写真一枚で試し、困った画面を確認する 今、どこまでできましたか?
授業へ置き換える 使う素材と子どもへの説明を決める 明日の授業なら、何を出してもらいますか?

共有する素材は、まず個人情報を含まないサンプルを使うと準備しやすくなります。実際の児童の作品や授業動画を使う場合は、同意や閲覧権限など学校の規程を確認します。この研修案は現行の時間内で行うもので、検討中の時数制度によって時間を確保できたとする話ではありません。

方向性の確認箇所:第1部 第4章(2)p30–39、第5章 p54–60。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

第14回 特別活動と学校行事:子どもの声を活動づくりに生かす

行事の前に子どもの希望を聞いても、結局いつもの方法に戻ると、『聞いてもらった』という実感につながりにくいかもしれません。全部を子どもだけで決めるのではなく、変えられる部分を示し、出てきた案を試せるところまで持っていきたいです。採用しなかった案も、理由を説明して終えます。

現行の要点 次期に向けた方向性・未確定
特別活動で話合い・合意形成を通じ、生活上の課題を解決。 子どもの意見表明と、企画・運営を含む主体的な行事への参画を一層重視。
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第14回 特別活動と学校行事:子どもの声を活動づくりに生かす。現行:特別活動で話合い・合意形成を通じ、生活上の課題を解決。 次期の方向性:子どもの意見表明と、企画・運営を含む主体的な行事への参画を一層重視。 実際の事例:広島市立牛田小学校・小6国語。運動会の演技や競技を題材に、理由と事例を持って話し合う。 提案:決める前に、少数意見の理由も確かめる時間を置く。 2026年10月5日の審議まとめに基づき、次期は未確定。
X連載第14回の比較図。現行と次期の方向性は上の表に、具体的な声かけや活動は下の授業案にまとめています。

実際の事例:広島市立牛田小学校・小6国語

運動会の演技や競技を題材に、理由と事例を持って話し合う。

実践の出典を読む。

応援の相談で、『声を出す以外なら、何ができそう?』

運動会の応援なら、『大きな声で応援しよう』だけでなく、『声を出す以外なら、どんな応援ができそう?』と聞きます。手拍子、動きをそろえる、学校で認められた掲示など、参加の仕方を広げる案が出るかもしれません。教師は使える場所や時間、安全上の条件を最初に伝えます。

『それはちょっと嫌だ』という声には、『話せるところだけでいいよ。どの部分が気になる?』と聞きます。みんなの前で言いにくいことは後で個別に聞く方法も用意します。案がまとまったら短く試し、『やってみたらどうだった?』と戻る時間を作り、決定を急ぎすぎないようにします。

教室の場面 教師が用意すること 声かけの例
考えられる範囲を示す 時間、場所、安全の条件を伝える この中で、どんな応援ができそう?
声を集める 話す、書く、個別に相談する方法を用意する 話せるところだけでいいよ。どこが気になる?
試して戻る 短く試し、参加しにくかった点を聞く やってみて、変えたいところはあった?

子どもの希望でも、安全や他の人の権利に関わる部分は教師が判断します。『危ないからだめ』だけで終えず、どこに危険があるかと、代わりにできることを説明したいです。掲載事例は国語の話合いで、ここで提案している行事の相談場面とは区別しています。

方向性の確認箇所:第2部 特別活動 p343以降/第1部 第2章(3)。文科省の審議まとめ/現行の小学校学習指導要領。

次期学習指導要領の校内研修:20分で単元を見直す方法

改訂の検討内容を一度に取り入れようとする必要はありません。まず一つの単元を選び、「子どもに何を説明・判断してほしいか」「どの活動で確かめるか」「どんな姿を記録するか」をつなげて考えます。以下は本記事が作成した研修手順と授業案です。現行の学習指導要領と学校の評価方針に沿って使ってください。

次期学習指導要領を授業づくりにつなぐ小学校向け校内研修20分の手順、低学年の授業案、単元計画の記入シート
本記事オリジナルの校内研修1枚シート。画像を開いて印刷できます。文部科学省の公式配布資料ではありません。

20分の校内研修で決めること

時間の目安 話し合うこと 残すもの
0〜4分 現行と検討内容を区別し、関心のある項目を選ぶ 取り上げる単元名
4〜10分 知識を使って子どもが何を説明・判断するかを考える 学習のゴール
10〜16分 一人で確かめる活動と友達と比べる活動をつなぐ 活動と発問
16〜20分 記録する姿と次回変える点を決める 見取りと改善点

小学校1・2年の授業案:生活科「秋の葉を比べる」

校内研修でこの単元を取り上げるなら、葉っぱを二枚並べたところから考えてみます。子どもに「どこが違う?」と聞くと、色を見る子、形を見る子、触った感じに気付く子がいそうです。そのあと教師が何と返すかを相談します。「その違い、写真でも見える?」「お友達の葉っぱにもあるかな?」など、子どもの発見の続きを聞ける言葉を一つ選びます。

授業では、安全に観察できる葉を用意し、見つけた部分を実物や写真で示してもらいます。友達の発見を聞いたあとは「自分の葉っぱも、もう一度見てみよう」と戻る時間を残します。端末を使わず、絵や実物で伝える方法も選べます。この案は、子どもの気付きに教師がどう関わるかを検討するための提案です。

活動 教師の発問 残す記録
葉を観察して特徴を見つける どこを見てそう思った? 形・色のスケッチと言葉
友達の発見と比べる 同じところと違うところは? 比較した特徴
もう一度確かめる 友達の発見で見直したところは? 最初の記録への書き足し

見取りの例は、「丸い・細い」などの特徴を根拠に比較し、新しい気づきを加えたかです。発言の多さや端末操作の速さだけで判断しません。写真に児童が写る場合は、学校の規定に沿って保存先と共有範囲を確認します。

コピーして使える単元計画の記入欄

項目 自分の単元に置き換えて記入
単元名・対象学年
子どもに説明・判断してほしいこと
一人で確かめる活動/友達と比べる活動
見取る姿と残す記録
次回、一つだけ変えること

関連する考え方を詳しく読む場合は、情報活用能力の基本、小学校の教科横断・探究学習、パフォーマンス課題の考え方を参考にしてください。

単元計画に書き込むための確認表

14項目を一度に取り入れる必要はありません。今の単元で見直したい場面を一つ選び、次の5項目を記入してから試します。授業後は、子どもの具体的な発言や記録を基に変更点を考えます。

確認項目 記入例
目標 写真を比べ、季節の変化を説明する。
選べる場面 写真・絵のいずれかで伝える。
教師の支援 比べる観点を色・形・大きさから選べるようにする。
残す記録 選んだ理由を一文または口頭で記録する。
次に確かめること 観点を使って比べられたか。支援が多すぎなかったか。

よくある疑問

小学校に情報科ができると決まったのですか?

この記事が扱うのは、総合に情報の領域を位置付ける審議中の方向性です。「情報科の新設が正式に決まった」とは説明していません。

今から評価方法や授業時数を変えてよいですか?

次期の検討資料だけを理由に、学校が独自に制度を変更することはできません。現行の制度、学校・設置者の方針、利用できる制度の要件を確認してください。授業中の発問や振り返りの改善とは分けて考えます。

実際の事例と授業案は、どう見分ければよいですか?

「実際の事例」には掲載校や資料名と出典リンクを付けています。その後の声かけや表は、教室で試すために考えた授業案です。掲載校の授業を再現したものや、筆者が実施して効果を測った報告ではありません。

授業づくりを続けて考える

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公式資料と更新について

授業案の作成に使った実践資料は各回に示しました。今後の正式資料で変更があれば、説明と比較表を合わせて見直す必要があります。現時点では開始年度を断定した実施予定表は掲載していません。

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かおる先生
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小学校教諭
大学・大学院では教育や技術について学び、小学校教諭免許に加えて、中学校(技術)および高等学校(情報・工業)の専修免許も取得しました。 「知ることの入り口」に立つ児童たちに、わかりやすく伝えることに大きなやりがいを感じ、現在は小学校の教員として日々子どもたちと向き合っています。またこの場では、日々の教育現場で役立っている業務効率化や時短の工夫、ちょっとした小技に加えて、趣味でもあるガジェットについての話題も交えながら、さまざまな情報をまとめていきたいと考えています。
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