小学校の指導案の書き方|初任者向けの完成例・コピペ用テンプレート

指導案の様式を開いたけれど、どの欄から書けばいいんだろう。

教材観、児童観、指導観。まず、何をどこに書くか整理したいね。

今回は、一つの算数の例で最後まで書いてみよう。完成例と、書き換えて使える型も用意するよ。
初めての指導案で手が止まるのは、授業を考えていないからとは限りません。「教材観に何を書けばいいの?」「目標と評価規準は同じでいいの?」と、考えたことをどの欄へ入れるかで迷うこともあります。まずは、子どもにどんなことができるようになってほしいかを一文にし、それを確かめる場面から考えてみましょう。
この記事では、小学校の初任者や指導案作成が苦手な先生に向けて、準備から提出前の確認までを順番に説明します。途中の例と最後の完成例は、1年算数「繰り上がりのあるたし算」でそろえました。目次から必要な欄へ戻りながら、手元の様式を埋めていけます。

- 指導案を書く前に|用意するのは、この5つ
- 文部科学省・神奈川県・横浜市の資料は、こう使い分ける
- 指導案の書き方|上から埋めず、6つの順番で下書きする
- 指導案の項目一覧|何をどこに書くか
- 単元目標・本時の目標の書き方|「何をするか」の先を書く
- 教材観・児童観・指導観の書き方|三つをつなげる
- 評価規準・評価方法の書き方|目標を、確かめられる姿へ直す
- 単元の指導・評価計画の書き方|本時までの道筋を作る
- 本時の展開の書き方|活動・子どもの反応・教師の関わりを並べる
- 板書計画・準備物の書き方|授業の前に、自分で一度やってみる
- 指導案のよくあるつまずきと、提出前のチェック
- 略案・細案や、別の教科へ書き換えるときの疑問
- 参考にした公開資料
- 付録A|1年算数の指導案・完成例
- 付録B|コピーして書き換える指導案テンプレート
- 指導案を書くときに使える関連記事・公開指導案
指導案を書く前に|用意するのは、この5つ
最初に長い文章を書くより、必要な資料を机に並べる方が進めやすいです。教科書を読み、「この時間で、子どもが何を考えるのか」を自分でもやってみます。計算なら実際にブロックを動かす、国語なら本文の言葉を選んで説明するなど、授業で求めることを先に試しておきたいです。
- 学校・研修・研究会で指定された指導案様式と提出条件。
- 教科書、教師用指導書、学校の年間指導計画・年間評価計画。
- 該当教科・学年の学習指導要領と解説。
- 国立教育政策研究所の学習評価参考資料や、学校で使う評価資料。
- これまでのノート、作品、授業中の様子、短い事前問題など、子どもの実態が分かるもの。
先輩には「指導案を見てください」だけでなく、「今回の様式、参考になる前年のものはありますか」「この時間は単元の何時間目に置くのがよさそうですか」と聞くと、最初に必要な情報をそろえやすくなります。
文部科学省・神奈川県・横浜市の資料は、こう使い分ける
表には縦横の罫線を付けています。スマートフォンでは、表の上を左右に動かすと、すべての列が読めます。
| 資料 | この記事で参考にしたこと | 自分の指導案で確認すること |
|---|---|---|
| 文部科学省の学習指導要領・解説 | 教科・学年で育てる力と内容 | 単元目標と、該当する内容の項目 |
| 国立教育政策研究所の学習評価参考資料 | 目標、評価規準、指導と評価の計画の関係 | 何を、どの活動や記録から確かめるか |
| 神奈川県中教育事務所の初任研用手引き | 単元観・児童観・指導観、本時の目標・展開などの構成 | 提出用の欄と、目標・評価・支援の対応 |
| 横浜市小学校図画工作教育研究会の様式 | 子どもの姿と教師の願いを題材・活動へつなぐ考え方 | 教材の特性と、学習環境・支援の工夫 |
神奈川県の構成は、確認できた令和7年度版の手引きを参考にしています。配布ページには年度ごとの様式が掲載されるので、提出時は最新版を確認してください。横浜市の資料は図画工作の研究会用です。算数など全教科でこの形式を使う決まりではありません。この記事では、各資料の考え方を、初めて書くときに使いやすい形で整理しています。
横浜市の公開指導案も、完成品の読み方を知る参考になります。ただし、以前の年度の案には現在と異なる評価観点が出てくることがあります。文章をそのまま移す前に、発行年と現行の資料を確かめましょう。横浜市の研究会が公開する指導案を見る
指導案の書き方|上から埋めず、6つの順番で下書きする

提出用の様式では児童観が上にあっても、そこから清書する必要はありません。最初は「10のまとまりを使って、計算の仕方を説明できるようにしたい」と仮に書き、確かめる方法と子どもの実態を見ながら整えます。
| 下書きの順番 | 自分に聞くこと | 最後に入れる欄 |
|---|---|---|
| 1 目標 | 単元の終わりに、何ができるようになってほしい? | 単元目標・本時の目標の下書き |
| 2 評価 | 何を見れば、それが分かる? | 評価規準・方法・見る場面 |
| 3 子どもと教材 | 今どこまでできる? この教材のどこを使う? | 児童観・教材観・指導観 |
| 4 単元 | どの順番で積み重ねる? | 単元の指導・評価計画 |
| 5 本時 | 子どもがどう考え、どこで困りそう? | 本時の展開・反応・手立て |
| 6 板書と準備 | 黒板に何を残す? 時間内に扱える? | 板書計画・準備物・見直し |
指導案の項目一覧|何をどこに書くか
| 項目 | 書くこと | 書き始めの例 |
|---|---|---|
| 基本情報 | 教科、学年・組、日時、場所、人数、指導者 | 第1学年○組 算数科学習指導案 |
| 単元名・題材名 | 教科書や年間計画での名称、必要なら活動を表す副題 | 繰り上がりのあるたし算 |
| 教材観・単元観 | この教材で何が学べ、前後の学習とどうつながるか | 本単元では、数を分けて10を作る見方を扱う。 |
| 児童観 | この学習に関わる、できること・困ること・根拠 | 前時の操作では、○○が見られた。 |
| 指導観 | 実態に合わせた、活動・教材・声かけ・支援 | そこで、ブロックの動きと図を結び付ける。 |
| 単元目標 | 単元を通して育てたい力 | 10のまとまりを用いた計算の仕方を考える。 |
| 単元の評価規準 | 目標が実現した子どもの学習状況 | 数のまとまりに着目して、計算の仕方を説明している。 |
| 単元の指導・評価計画 | 各時間のねらい、活動、評価の場面・方法、本時の位置 | 第1時:9+4の計算の仕方を考える。 |
| 本時の目標・展開 | この時間で育てる力、活動と反応、教師の関わり、評価 | 10と残りに分けた理由を、図や操作で説明する。 |
| 板書・準備物・研究との関係 | 黒板の配置、教材、必要な配慮、指定された研究欄 | 9のブロックと4のブロックを色分けして用意する。 |
本時は「この1時間」、単元は「関連する学習のまとまり」です。単元目標に書いたことを、全部1時間で達成させようとしなくて大丈夫です。教科によって題材観など名称が違ったり、研究主題との関係を書く欄が増えたりします。
単元目標・本時の目標の書き方|「何をするか」の先を書く
「ブロックを使う」「友達と話し合う」は活動です。それを通して何が分かるようになるか、何を説明できるようになるかまで書くと、授業の目標になります。
| 活動だけの書き方 | 身に付けたい力が見える書き方 |
|---|---|
| ブロックで計算する。 | 10のまとまりを作ることに着目し、繰り上がりのある加法の計算の仕方を考える。 |
| 友達と話し合う。 | ブロックや図を用いて、どの数をどう分けたかを説明する。 |
| 楽しく取り組む。 | 試した方法や友達の考えを振り返り、計算の仕方を確かめようとする。 |
教師の目標と、子どものめあてを分ける
教師向けには「10のまとまりに着目し、数を分解して計算する方法を、具体物や図を用いて説明できる」と書きます。黒板のめあては「10のまとまりをつくって、けいさんのしかたをはなそう」など、子どもが分かる言葉にします。文は違っても、学ぶ内容はそろえます。
単元目標は、学習指導要領・解説にある教科と学年の目標・内容に照らして作ります。算数なら、第1学年の「A 数と計算」の加法・減法に関する内容が出発点です。提出先で原文の引用が必要な場合は、該当する項目を原資料から正確に写し、要約と混ぜません。教科別の学習指導要領解説を確認する
教材観・児童観・指導観の書き方|三つをつなげる

教材観・単元観:この教材のどこに、学ぶ価値があるか
教科書のあらすじや活動紹介だけで終えず、教材のどの特徴が目標につながるかを書きます。9+4なら、9にあと1を足すと10になるので、4を1と3に分ける理由を確かめやすい問題です。その見方を別の計算へ使うこともできます。
書き始めの型は、「本単元では、○○を通して、△△を学ぶ。□□という教材の特徴を生かすことで、◇◇を考えることができる。これまでの○○の学習を基にし、次の△△へつなげる」です。具体的な学年や内容は、年間計画と照合します。
児童観:「明るい学級です」より、学習に関わる事実を書く
「元気で意欲的」という学級紹介だけでは、今回どう教えるかが決まりません。10までの数の分け方を話せるか、数え足しなら解けるか、図と操作を結び付けられるかなど、今回の学習に関係することに絞ります。
| まず集める情報 | 指導案への書き方 |
|---|---|
| ノートや作品で確認したこと | 「前時のノートでは、○○と記述する姿が見られた」 |
| 短い事前問題の結果 | 「○○はできているが、△△の説明では支援を要する姿が見られた」 |
| 説明や操作の様子 | 「操作では表せる一方、図に置き換える際に迷うことがある」 |
人数や割合は、実際に確認した場合だけ使います。「苦手な子が多い」も、何に困っているのかへ書き換えたいです。まだ分からなければ、確認する小さな問題を用意してから書きます。公開する指導案には、児童が特定される情報を載せません。
指導観:児童観で挙げた困りごとへ、手立てを返す
「個に応じて指導する」だけでは、授業中の行動が見えません。図での説明に困る子がいるなら、「操作した部分と同じ色の印を図に付ける」「話す前に二人で指しながら練習する」まで書きます。
書き始めの型は、「児童は○○の場面で△△に困ることがある。そこで、□□を用意し、◇◇と問いかける。○○の活動を通して、△△できるようにする」です。実際の支援は、目の前の子の様子に合わせて調整します。
評価規準・評価方法の書き方|目標を、確かめられる姿へ直す

目標が「計算の仕方を説明する」なのに、評価が「答えが正しい」だけでは、説明できたかが残りません。「8に2を足して10にし、5を2と3に分けたことを、図を指して説明している」など、聞く内容まで具体化します。
| 言葉 | 意味 | 今回の例 |
|---|---|---|
| 目標 | どんな力を育てるか | 10のまとまりを作って計算の仕方を説明できる。 |
| 評価規準 | 目標の実現を、どんな学習状況として捉えるか | 数を分けて10を作る方法を、操作や図で説明している。 |
| 判断する具体的な姿 | その学習状況の程度を、何から判断するか | 10にするために移した数と残った数を示し、説明する。 |
| 評価方法 | 何を見たり聞いたりするか | 8+5の図、操作、個別の短い説明。 |
| 支援 | 目標に近づくために、教師が何をするか | 10の枠に8個を置き、空いている2か所を一緒に確かめる。 |
「評価規準」は何を評価するか、「評価基準」はその程度を判断する目安、という区別で整理できます。ただし、様式によって表記は異なるため、提出先の呼び方を確認します。
三つの資質・能力と、三つの評価観点は表記を確認する
算数などの各教科の観点別学習状況の評価では、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」を使います。「学びに向かう力、人間性等」という目標の柱を、そのまま評価観点名に置き換えないようにします。道徳や総合的な学習の時間などは評価の扱いが異なるため、教科等ごとの資料を確認してください。
「主体的に学習に取り組む態度」は、挙手の多さや元気のよさだけで決めません。例えば、計算の方法を試し、うまくいかなかったところを確かめてやり直す姿を、単元の複数の場面で見ます。文章の長さや操作の速さを、そのまま高い評価にしないことも大切です。文部科学省の学習評価に関する通知を確認する
毎時間、三観点すべてを記録する計画にしない
学習状況を見て支援することと、評価・評定へ使う記録を残すことを分けて計画します。本時は計算の理由を聞き、練習の定着は後の時間に確認するなど、単元の中に評価する場面を配置します。記録を残さない時間も、手が止まっていないか、内容が伝わっているかは確かめます。
評価欄に○や記号を入れる場合は、「記録に残す評価」「指導に生かす評価」などの意味を凡例で示します。全国共通の記号だと思って移さず、指定様式に合わせます。詳しくは国立教育政策研究所の教科別評価参考資料で、該当教科の計画例を確認できます。
単元の指導・評価計画の書き方|本時までの道筋を作る
単元計画には「第1時:教科書○ページ」だけでなく、そこで何を学び、何を確かめるかを書きます。本時を先に作った場合も、前の時間で何を経験している必要があるかを戻って確認します。
使いやすい列は「時間」「ねらい・主な活動」「評価観点」「評価する内容と方法」「記録に残すか」です。学校の計画と教科書の時数を出発点にし、下の完成例の8時間をそのまま全校共通の時数として使うことはしません。
例えば本時で、数を1と3に分ける説明を求めるなら、それまでに数の合成・分解を経験している必要があります。事前の確認で難しさが見えたら、既習を短く扱う、操作の手掛かりを加えるなど、計画の方を直します。
本時の展開の書き方|活動・子どもの反応・教師の関わりを並べる
本時の表は、教師が話すことの台本だけにしない方が使いやすいです。「問題を提示する」より「問題を読み、今までの計算との違いを見つける」のように、子どもの活動として書きます。横の欄に、教師の問いや支援を書き分けます。
| 時間 | 子どもの活動・予想される反応 | 教師の声かけ・支援 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 導入 | 9+4を見て「10を超えそう」「数えたい」と考える。 | 「今までの計算と、どこが違う?」と既習へ戻す。 | これまでの方法が使えるかを聞き、支援へ生かす。 |
| 自分で考える | 一つずつ数える、4を分ける、操作はできるが説明で止まる。 | 「9は、あといくつで10?」「動かしたのは、どこの分?」 | 操作と子どもの言葉を聞き、つまずきを確かめる。 |
| 共有する | 友達の図と、自分の操作を比べる。 | 同じ部分を色で結び、「この1はどこにある?」と尋ねる。 | 計算の意味と表現がつながったかを確かめる。 |
| 確かめる | 8+5で、10を作るための数を考え直す。 | 「今度は、あといくつ?」「残りはどこ?」 | 図・操作・短い説明で、計算の理由を捉える。 |
予想される反応は、正解だけを書かない
「13です」だけでなく、「全部を1から数える」「4を全部動かしてしまう」「正しい図を描けても言葉が出ない」など、ありそうな反応も書きます。それぞれに対して、教師がどこへ戻すかを一つ用意すると、授業中に見やすい案になります。
声かけは、私なら「ちゃんと考えて」より「ここまではできたんだね。次はどこを見ようか」に直したいです。答えを先に言わず、子どもができている部分から、次に確かめる場所を示します。詳しい問いの考え方は小学校の授業改善の具体例でも紹介しています。
A・Bの姿と、困っている子への手立てを書く
指定様式で三段階の具体的な姿を書く場合は、まず「おおむね満足できる状況(B)」を目標に沿って決めます。そのうえで、学びの質がさらに見える「十分満足できる状況(A)」と、Bへ近づくための手立てを考えます。Aを単に「速い」「問題数が多い」にしないようにします。
支援を受けたという理由だけでCに固定するわけではありません。支援のあとに何ができたかを見直します。本時の一つの場面だけで、児童全体や単元全体の評価を決めることもしません。
板書計画・準備物の書き方|授業の前に、自分で一度やってみる

黒板は、問題、子どもの考え、比べる部分、まとめの位置を先に決めます。きれいな完成図を写させるだけでなく、授業中に出た考えをどこへ置くかも空けておきます。大事な図が消えてから確認問題に進まないよう、何を最後まで残すかを決めます。
準備物には、教師用・児童用・予備を書き分けます。ブロックを配る時間、片付ける時間、ノートに書く時間も、45分の中に含めます。ICTは「使う」だけでなく「子どもの図を大きく示して、ブロックとの対応を比べる」のように目的を書き、使えない場合の方法も用意します。
発問を声に出し、ブロックを実際に動かしてみると、指導案では短かった説明が長くなることがあります。時間が足りなければ、評価する場面を消す前に、共有する考えの数や練習量を調整します。
指導案のよくあるつまずきと、提出前のチェック
| つまずき | 直し方 |
|---|---|
| 「理解を深める」で目標が止まる。 | 何を理解し、何を説明・判断できるかを加える。 |
| 児童観と指導観がつながらない。 | 児童観の困りごとへ、具体的な教材・問い・支援を返す。 |
| 話合いやICTの使用が目標になっている。 | その方法で何を学ぶかに戻る。 |
| 本時の目標が説明なのに、評価は正答数だけ。 | 図や操作を使った理由の説明も聞く。 |
| 45分が、教師の説明だけで埋まる。 | 考える、比べる、確かめる時間を先に取る。 |
| 「個別に支援する」で終わる。 | どこで困るかと、具体的な手掛かりを書く。 |
- 指定様式、日時、場所、人数、指導者、本時が何時間目かを確認した。
- 学習指導要領・解説の教科、学年、内容との関連が分かる。
- 単元目標と評価規準が、同じ内容を指している。
- 児童観は、実際に見たことや資料を根拠に書いた。
- 単元計画に本時の位置と、評価する場面・方法がある。
- 本時の目標、Bの姿、展開中の評価が一致している。
- 困りそうな反応に、具体的な手立てがある。
- 移動、配付、記録、片付けを含め、時間配分を確かめた。
- 板書のまとめと、最後に確かめる問題が目標に合っている。
- 個人情報の扱いを確認し、先輩へ見てほしい点を絞った。
相談するときは、「ここで8+5を使って説明を確かめたいのですが、本時の目標と合っていますか」のように、迷っている一点を伝えると話しやすいです。授業後は「予想と違った反応」「支援のあとにできたこと」「次に変える問い」を短く残し、次の指導案へ生かします。
略案・細案や、別の教科へ書き換えるときの疑問
細案と略案は、何が違いますか?
細案では単元の考え方や計画、本時の展開を詳しく示し、略案では必要な内容を絞ります。ただし、全国で統一されたページ数の区切りはありません。略案でも、目標・活動・評価・必要な支援が読み取れるようにし、提出先の条件を優先します。
語尾は「できる」「ようにする」のどちらですか?
提出先の様式に合わせます。目標で育てる力を示し、評価規準で学習状況を示すという違いを押さえたうえで、文末を整えます。語尾だけでなく、二つの欄の内容が一致しているかを確認します。
この例を国語や生活科にも使えますか?
項目の枠と、子どもの実態から手立てを考える順番は使えます。国語なら「どの言葉を根拠に読むか」、生活科なら「体験から何に気付き、どう関わるか」など、学ぶ内容と教科ごとの評価規準は作り直します。算数の評価文へ教科名だけを入れ替える方法ではありません。
生成AIで、児童観や評価規準を埋めてもよいですか?
文章を整理する下書きには使えますが、学級の実態を作らせないようにします。教師が確認した事実と目標を用意し、AIが補った人数、様子、指導要領の項目は原資料と照合します。実在の児童の個人情報は入力せず、学校の利用方針に従います。書き方が分かったあとに時短したい方は、指導案の時短とテンプレート活用も参考にしてください。
参考にした公開資料
- 文部科学省:小学校学習指導要領解説。目標と内容の確認に使います。
- 文部科学省:小学校学習指導要領解説 算数編。第1学年の加法・減法に関する内容、資料内83〜87ページを参照。
- 文部科学省:児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について。
- 国立教育政策研究所:「指導と評価の一体化」のための学習評価参考資料。教科別の資料を選べます。
- 神奈川県中教育事務所:組織・連絡先ページ(様式・手引きの配布先は提出先で確認)。本文の構成説明では令和7年度版の初任研用手引きを参照。提出前は年度に合うものを確認してください。
- 神奈川県:学習評価資料。
- 横浜市小学校図画工作教育研究会:指導案の形式について。令和5年度の教科別様式で、子どもの姿と教師の願いのつながりなどを参照。
- 横浜市小学校情報・視聴覚教育研究会:公開指導案。以前の年度の案は、現行の評価観点と照合して読みます。
説明図と以下の完成例・テンプレートは本記事が作成したもので、行政・研究会の様式を転載したものではありません。公開資料を確認したうえで、具体的な授業案は本ブログの提案としてまとめています。
付録A|1年算数の指導案・完成例
以下は、書く欄を一通り見渡せるように作った本ブログ独自の例です。授業実践の報告ではありません。児童観は架空の想定、全8時間は説明用の配分です。基本情報は空欄にしています。同じ単元で使う場合も、教科書の扱いと実際の学級の様子を確認して直してください。
1 基本情報・単元名
第1学年[組]算数科学習指導案
日時:[年月日・校時] 場所:[教室等]
児童数:[人数] 指導者:[氏名]
単元名:繰り上がりのあるたし算
本時:全8時間の第1時
2 学習指導要領との関連
第1学年「A 数と計算」(2)ア(ウ)、イ(ア)との関連を中心に計画する。1位数どうしの加法の計算と、数量の関係に着目して計算の意味や仕方を考えることを扱う。ここは筆者による要約である。原文が必要な様式では、算数編の該当項目を確認して転記する。
3 単元について|教材観・児童観・指導観
教材観:本単元では、繰り上がりのある1位数どうしの加法について、10のまとまりを作って計算する方法を学ぶ。9+4は、9に1を足すと10になることから、4を1と3に分ける理由を確かめやすい。数の合成・分解の学習を基に、具体物、図、式を結び付けることで、数え足しとは異なる計算の仕方を考えられるようにする。この数の見方を、今後の加法の学習につなげる。
児童観(架空の想定):児童は、10までの数を二つに分けたり合わせたりする学習と、繰り上がりのない加法の学習を経験している。ブロックを数えて答えを求めることはできる一方、どの数をどう分けたかを、図や言葉で説明する際に迷う姿があると想定する。実際の案では、事前問題や前時の操作で確認した結果に置き換える。
指導観:まず、9個と4個のブロックを色分けして提示する。数えた方法も認めたうえで、「9は、あといくつで10?」と問い、10の枠を手掛かりにする。動かした1個と残り3個を図に同じ色で示し、操作と説明をつなぐ。説明の言葉が出ない場合は、図を指しながら二人で話す場を設ける。最後は8+5を使い、10を作るために分ける数を自分で考え直せるか確かめる。
4 単元目標
- 知識及び技能:10のまとまりを用いる計算の仕方を理解し、繰り上がりのある1位数どうしの加法を計算できる。
- 思考力、判断力、表現力等:数の構成に着目して計算の仕方を考え、具体物や図を用いて説明できる。
- 学びに向かう力、人間性等:10のまとまりを用いるよさに気付き、計算の仕方を試したり振り返ったりしながら学習に取り組もうとする。
5 単元の評価規準
| 観点 | 評価規準の例 |
|---|---|
| 知識・技能 | 10のまとまりを用いる計算の仕方を理解し、繰り上がりのある1位数どうしの加法を計算している。 |
| 思考・判断・表現 | 数の構成に着目して10のまとまりを作る計算の仕方を考え、具体物や図を用いて説明している。 |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 計算の仕方を試し、操作や友達の考えを手掛かりに確かめたり、自分の方法を振り返って取り組み方を調整したりしている。 |
6 単元の指導・評価計画|全8時間の例
「指導に生かす」は、その場の支援や次時の計画に使う評価。「記録に残す」は、単元の評価に用いる情報を残す場面として計画する。どちらでも児童の学習状況を確かめる。実際の時数・記録方法は校内の計画に合わせる。
| 時間 | ねらい・主な活動 | 観点 | 内容と方法 | 扱い |
|---|---|---|---|---|
| 1 本時 | 9+4で10を作る方法を考え、8+5でも確かめる。 | 思考・判断・表現 | 数の分け方と10の関係を、操作・図・説明から見る。 | 指導に生かす |
| 2 | 8+7などで、足す数を分けて計算する。 | 知識・技能 | 10と残りに分ける操作と式を確かめる。 | 指導に生かす |
| 3 | 3+9などで、足される数を分ける方法も考える。 | 思考・判断・表現 | 数の分け方を変えた理由を、図と説明から見る。 | 指導に生かす |
| 4 | 様々な繰り上がりのある加法を練習する。 | 知識・技能 | 計算問題と、必要に応じた操作で理解と技能を確かめる。 | 記録に残す |
| 5 | 自分の計算の仕方を図や式と結び付けて説明する。 | 思考・判断・表現 | どの数をどう分けたかを、説明とノートから見る。 | 記録に残す |
| 6 | 場面を読み、加法の式と計算で答える。 | 知識・技能 | 場面と式、計算の対応をノートから見る。 | 指導に生かす |
| 7 | 自分の課題に合わせて練習し、方法を確かめ直す。 | 主体的に学習に取り組む態度 | 第2〜7時の試行・見直しの様子と振り返りを合わせて捉える。 | 複数の場面の情報を記録にまとめる |
| 8 | 単元の学習を振り返り、計算と説明で確かめる。 | 知識・技能/思考・判断・表現 | 計算問題、図を使った説明、これまでの記録を合わせて見る。 | 記録に残す |
7 本時の目標・評価・支援
本時の目標:10のまとまりを作ることに着目し、数を分けて計算する仕方を、具体物や図を用いて説明できる。
子どものめあて:10のまとまりをつくって、けいさんのしかたをはなそう。
評価観点:思考・判断・表現。本時は指導に生かす評価として、次時の説明練習や操作の支援を決める。
| 判断する姿・支援 | 具体例 |
|---|---|
| おおむね満足できる状況(B)の想定 | 8+5で、8にあと2を足すと10になるため5を2と3に分け、10と残り3で13になることを、操作や図で説明している。書くことだけを必須にせず、指し示しながらの説明も確かめる。 |
| 十分満足できる状況(A)の想定 | Bの内容に加え、9+4では1、8+5では2を移す理由を、10にするために必要な数と結び付け、二つの計算の共通点を説明している。 |
| Bへ近づくための支援 | 10の枠に8個を置き、空いている2か所を一緒に確かめる。「5のうち、いくつを移す?」「残りはどこ?」と尋ねる。説明が難しい場合は、動かした部分に色を付けて指し示せるようにする。 |
| 方法と場面 | 展開5の8+5について、ワークシートの図・操作・短い個別の説明を確認する。説明を十分に聞けなかった児童は、次時にも確かめる。支援後の変化を含めてメモを残す。 |
8 本時の展開|45分の例
| 時間 | 学習活動・予想される反応 | 教師の声かけ・支援 | 確認・評価 |
|---|---|---|---|
| 1 導入 5分 | 「赤いブロックが9個、青いブロックが4個。合わせて何個?」を読み、9+4の式にする。「10を超える」「数えてみたい」。 | 実物と式を対応させる。「今までの計算と、どこが違う?」と聞き、めあてにつなぐ。 | 場面と式の対応、既習の方法を確かめる。 |
| 2 自分で考える 10分 | ブロックを動かして答えを求める。一つずつ数える、4から1を移す、全部をまとめて数えるなど。 | 数える方法も受け止める。「9は、あといくつで10?」と問う。困る児童には10の枠を示す。配付や操作の準備もこの時間内に行う。 | どの数をどう動かしたかを聞き、支援に生かす。 |
| 3 考えを比べる 10分 | 数え足しと、10を作る方法を比べる。「1を動かした」「残りは3」。 | 「その1は、どこの分?」「図のどこが10?」と尋ねる。操作と図を同じ色で対応させる。説明前に二人で指しながら話す時間を設ける。 | 10と残りの関係が捉えられているかを確かめる。 |
| 4 図・式にまとめる 8分 | 4を1と3に分け、9+1=10、10+3=13と整理する。「4の中の1を足した」。 | 図と式を指し比べ、「残りの3はどこ?」と聞く。板書をすべて写す量にはせず、必要な図と式を残す。 | 動かした数と残りを、図・式で結び付けているかを見る。 |
| 5 別の問題で確かめる 7分 | 8+5に取り組み、5を2と3に分けたことを示す。「今度は2を移す」。 | 「今度は、あといくつで10?」と問い、個別に図や操作の説明を聞く。必要な児童には10の枠と色の手掛かりを用意する。 | 思考・判断・表現:Bの想定に照らし、説明と図・操作から確かめる。次時に必要な支援をメモする。 |
| 6 振り返り・片付け 5分 | 「10を作ると計算できる」「移す数は違った」など、分かったことを図や言葉で振り返る。 | 「今日の考えで、次の問題にも使えそうなのはどこ?」と聞く。書きにくい児童には口頭や図で確かめる。片付けも行う。 | 次時へつなぐ気付きと、残った困りごとを確かめる。 |
9 板書計画・準備物
板書の左:問題と9+4、めあて。中央:数えた考えと、4を1と3に分けた図・式を並べる。動かした1個と残り3個が分かる色を使う。右:確かめる8+5。下:まとめ「10と のこりに わけると、けいさんできる」。子どもの考えを置く余白を確保する。
教師用:色分けした掲示用ブロック、10の枠、板書用の図、評価メモ。児童用:算数ブロック、10の枠、図を描けるワークシート、筆記具。予備:ブロックと枠の追加分。実物投影機を使うなら、子どもの図を拡大して操作と比べるために使い、使えない場合は掲示用の図で示す。
10 学校の研究との関係|欄がある場合
[学校の研究主題を正確に記入]。本時では、ブロックの操作と図を結び付けて話す場を設ける。共有場面での説明と、8+5を確かめる場面での説明を見比べ、どの手立てが考えの表現につながったかを授業後に検討する。研究主題と合わない場合は、この文も書き換える。
付録B|コピーして書き換える指導案テンプレート
下の枠をコピーして、Wordなどの提出様式へ移してください。[ ]は自分の授業に置き換える部分です。完成例と同じ単元なら、付録Aの文章や表も下書きに使えます。児童観、目標・評価、時数は実際の資料で確認し、表の幅とページ割りは提出様式に合わせます。
| 書き換える場所 | 見直す資料・事実 |
|---|---|
| 基本情報・単元名・本時の位置 | 時間割、教科書、学校の年間計画 |
| 教材観と目標・評価規準 | 該当教科・学年の指導要領解説と評価参考資料 |
| 児童観と支援 | 実際のノート、事前問題、操作や説明の様子 |
| 単元計画・時間配分 | 学校の計画、既習内容、教材を自分で試した時間 |
| 発問・準備物・板書 | 子どもが分かる言葉、学級で使える教材、教室の条件 |
[教科・学年・組]学習指導案 日時:[年月日・校時] 場所:[場所] 児童数:[人数] 指導者:[氏名] 1 単元名・題材名 [教科書・年間計画に合わせた名称] 本時:全[ ]時間の第[ ]時 2 学習指導要領との関連 [教科・学年・領域・内容の項目] [原文の引用が必要な場合は、原資料から正確に転記する] 3 単元について 教材観:本単元では、[教材・活動]を通して、[学ぶ内容]を扱う。[教材の特徴]を生かすことで、[考えること・身に付ける力]を学べる。[既習内容]を基に、[今後の学習]へつなげる。 児童観:[ノート・事前問題・授業中の様子などの根拠]では、[できていること]が確認できた。一方、[困っている場面と内容]では支援を要する姿が見られる。 指導観:そこで、[具体的な教材・環境]を用意し、[問いかけ]と尋ねる。[活動・支援]を通して、[目標に関わる子どもの姿]へつなげる。 4 単元目標 知識及び技能:[学ぶ知識・技能と内容] 思考力、判断力、表現力等:[何に着目し、何を考え・判断し・表現するか] 学びに向かう力、人間性等:[学ぶよさ、試す・振り返るなどの関わり方] 5 単元の評価規準 知識・技能:[目標に対応する学習状況] 思考・判断・表現:[目標に対応する学習状況] 主体的に学習に取り組む態度:[粘り強い取組や、学習の調整が見える状況] 教科等による評価の扱いの違いは、該当資料と指定様式で確認する。 6 単元の指導・評価計画 第[ ]時:[ねらい・活動] 観点:[ ] 見る内容と方法:[ ] 扱い:[指導に生かす/記録に残す] 必要な時間数分、同じ項目を複製する。本時の行に「本時」と記す。 凡例・記号の意味:[指定様式に合わせて記入] 7 本時の目標と評価 本時の目標:[何に着目し、何をできるようにするか] 子どものめあて:[同じ学ぶ内容を、子どもが分かる言葉で] 評価観点:[ ] 評価規準:[本時の目標に対応する学習状況] Bの具体的な姿:[どの内容を、どんな表現・行動から判断するか] Aの具体的な姿:[同じ目標について、さらに学びの質が見える姿] 支援:[どの困りごとに、どんな教材・問いを使うか] 評価方法と場面:[何を、いつ、どのように確認するか] 記録の扱い:[指導に生かす/記録に残す] 8 本時の展開 導入[ ]分 子どもの活動・反応:[ ] 教師の問い・支援:[ ] 確認すること:[ ] 自分で考える[ ]分 子どもの活動・反応:[ ] 教師の問い・支援:[ ] 確認すること:[ ] 考えを共有する[ ]分 子どもの活動・反応:[ ] 教師の問い・支援:[ ] 確認すること:[ ] 別の課題で確かめる[ ]分 子どもの活動・反応:[ ] 教師の問い・支援:[ ] 評価する内容と方法:[ ] 振り返り・片付け[ ]分 子どもの活動・反応:[ ] 教師の問い・支援:[ ] 次時へつなぐこと:[ ] 必要に応じて行を追加する。配付・移動・記録を含め、合計[ ]分を確認する。 9 板書計画・準備物 問題・めあて:[ ] 残す子どもの考え・図・式:[ ] 比べる部分:[ ] まとめ:[ ] 教師用:[ ] 児童用:[ ] 予備:[ ] ICTを使う目的と、使えない場合の方法:[必要な場合に記入] 10 研究との関係・必要な配慮 研究主題:[指定欄がある場合に記入] 本時の手立てと検証する場面:[ ] 学習に必要な配慮:[提出先の方針に従い、必要な範囲で記入]
まずは[ ]を一つずつ埋め、最後に「目標と、確かめる場面が同じ内容になっているか」を見直してください。先輩に見てもらうときは、完成した文章の長さより、子どもの活動と支援がつながっているかを相談すると、授業へ持っていきやすくなります。
指導案を書くときに使える関連記事・公開指導案
教科に合わせて、目標・評価・本時の展開を確かめたいときは、次の記事をご覧ください。どちらにも完成例とコピーして書き換えられる付録があります。
学校が公開している実際の指導案も、活動・手立て・評価の対応を確かめる参考になります。次の資料は横浜市立獅子ケ谷小学校の令和6年度の公開授業用で、市全体の統一様式ではありません。指定様式と年度の確認をして使ってください。




