【保存版】教員の働き方改革|生成AI活用による校務効率化の最新事例


お先に失礼しまーす。

ゆとり先生何だか帰るのがはやくなったなぁ
でもこれを聞いたらパワハラ感あるかな……

実はAIで仕事を効率的にこなしてるんですよ

え⁉いきなりなんですか

いえ、何か言いたそうな顔をしていたので(笑)
今回は、僕が仕事で使っているAIと仕事内容を少し紹介します。

全部は教えてくれないの?

ふふふ
教育現場の課題:教員の業務負担と多忙化
日本の教育現場では、教員の長時間労働が長年問題視されてきました。授業準備、成績管理、文書作成、保護者対応、小テストやテストの作成・採点など、校務の多さが教員の心身に大きな負担をかけています。そんな中で注目を集めているのが、生成AIを活用した業務の効率化です。
生成AIは、人間の指示に基づいて自然な文章や画像を自動生成する人工知能技術です。文章の要約、問題の作成、アイデア出し、文書のドラフト作成など、教育現場における多くの業務に応用可能で、校務の時短や業務負担の軽減に大きく貢献すると期待されています。
本記事では、具体的な導入事例をもとに、教育現場における生成AIの活用法を詳しくご紹介します。
文書作成の効率化:生成AIで“書く”業務を軽減
教員が日常的に作成する文書には、学級通信、保護者への案内、学年だより、授業計画書などがあり、これらは膨大な時間と労力を要します。
- 横須賀市では、試験運用校で生成AIを用いて学級通信や保護者文書を作成したところ、文書作成にかかる時間が大幅に短縮され、業務負担が約50%削減されました。
- SasaeL校務(小学館グループ)は、生成AIによる文章作成支援機能を備え、教員が作成する案内文や行事のお知らせなどを効率的に作成できるよう支援しています。
- ライフイズテックの実証事業では、国語・英語の授業用に例文や問題文を短時間で生成。従来30分以上かかっていた文書作成が、AIの支援で10分以内に完了するケースも報告されています。
小テスト・問題作成の時短:多様な設問を短時間で
生徒の学習定着度を測るために必要な小テストや単元末テストの作成も、教員にとっては大きな負担です。生成AIは、テストのたたき台となる問題を自動生成し、作成時間の短縮に寄与しています。
- ライフイズテックの活用例では、選択肢問題や記述問題をAIが瞬時に生成。誤答の選択肢をAIが自動で考えてくれる機能が好評です。
- ソフトバンクの先生AIアシストLabでは、教材のPDFや画像をアップロードするだけで、小テストや演習問題(4択・記述式・穴埋め問題など)を自動生成。設問ごとの解説や模範解答も自動で出力されます。
- ベネッセコーポレーションが開発中のシステムでは、指導計画に応じたテスト問題と解答案をAIが自動生成。作成にかかる所要時間の大幅短縮が期待されています。
採点業務の自動化:ミスの少ない正確な採点
採点業務は精神的・肉体的負担が大きく、特に大量の答案を処理する定期テスト後は教員の疲弊が顕著です。
- 横須賀市の中学校では、記述式を除く記号や数字、英単語の自動採点に生成AIを活用。これにより、採点業務が65%削減されたと報告されています。
- 先生AIアシストLabでは、記述式の自動採点にも対応。「意味が正しければ正解」「キーワードが含まれていれば部分点」といった柔軟な採点設定が可能で、採点作業の省力化に加え、公平性の向上にも寄与しています。
授業準備・授業案の作成支援:アイデア出しやリサーチに有効
- ライフイズテックの実証事業では、授業案作成にかかる時間が3〜4割減少。授業開始時のアイスブレイク用のネタ探し、文法やテーマに合った曲や映像のリサーチ、板書計画や発問案の作成支援など、幅広く活用されています。
- また、授業の方向性を決める際に、AIに複数案を提示してもらい比較検討することで、より良い授業設計に繋がるケースも多く報告されています。
画像生成AIの活用:教材や装飾の“見える化”を加速
教材や行事で使うイラストや画像の準備も、教員の手間となる業務の一つです。
- Stable Diffusion Web UIを使えば、「節分の鬼のお面」や「特定の状況(例:トイレ)」など、著作権の問題なく、オリジナル画像を短時間で生成可能。
- 生徒にとっても視覚的な理解が深まり、授業や行事の質が向上するという報告もあります。
RPA×生成AIでルーチン作業を自動化
- AIさくらさん(RPAさくらさん)は、校務における定型的な入力作業や集計作業を、AIとRPAの連携で自動化します。今まで数時間かかっていた集計や報告作業が、ボタン一つで完了できるようになり、教員の時間を創造的な業務へと振り向けることができます。
活用されている主な生成AIサービスと技術
サービス名 | 主な機能 | 使用技術 |
---|---|---|
ChatGPT | 文書要約・校務資料作成。「GIGAスクール構想」の議事録要約や教員向け施策資料案の作成支援に活用。 | ChatGPT(OpenAI、2021年9月時点の情報に基づく) |
先生AIアシストLab | 問題生成・自動採点。PDF・画像から設問生成。記述式対応の自動採点機能あり。 | Google Gemini(Vertex AI) |
Claude v2.1(ライフイズテック) | 小テストや授業案の作成など学校向けAIサービス。 | Claude v2.1/GPT-4 32k併用(Anthropic/OpenAI) |
Stable Diffusion Web UI | 節分のお面や特定場面の教材画像生成。 | Stable Diffusion(オープンソース画像生成AI) |
SasaeL 校務 | 文章作成支援・授業案のたたき台作成等。 | 生成AI(モデル非公開、小学館グループ) |
スタディポケット for TEACHER | 通知表、学級通信、研修企画など定型業務を逆引き形式で支援。 | 生成AIクラウドサービス(モデル名非公開) |
tomoLinks | 対話型授業支援、学習指導案や教材開発に活用。 | 対話型生成AI(モデル名非公開、コニカミノルタジャパン) |
AIさくらさん/RPAさくらさん | 入力・集計のルーチン作業をボタン一つで自動化。 | RPA+AI(対話型AI「AIさくらさん」+RPAさくらさん) |
まとめ:生成AIは教員の“働き方改革”を支えるパートナー
教員の業務負担を軽減し、本質的な教育活動に集中できる環境を整えるうえで、生成AIは非常に有効な手段となっています。実証事業や導入事例を通じて、その効果はすでに実証されつつあり、今後はさらに多様な校務での活用が期待されます。
教育現場での導入には、プライバシー配慮やガイドラインの整備も不可欠ですが、適切に導入すれば、生成AIは教職員の働き方改革を支える強力な味方になるでしょう。
今後も、新しい技術やサービスの動向に注目しながら、教育現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくことが重要です。

