【2025年版】教員の給料事情を徹底比較!公立・私立・小学校・中高の違いとキャリアの考え方


そういえばゆとり先生は、なんで小学校の教員になったんですか?

お金……というのは半分冗談で、情報教育を小学校でやりたかったんです。

なるほど、半分はお金なんですね(笑)という小学校のほうがお給料はいいんですか?

部活動がありませんし比較的研究しやすいんじゃないですか
教員という仕事は、子どもたちの成長を間近で見守るやりがいのある仕事です。しかし、キャリアを考える上で、「実際のお給料ってどうなの?」という疑問は避けて通れません。
特に、私立と公立、小学校と中学校・高校では、給与や働き方にどのような違いがあるのかは、進路を考える上で非常に重要なポイントです。この記事では、公的データや専門家の知見を基に、教員のお給料事情を具体的に解説します。
公立と私立、給与体系はどこが違う?
公立学校と私立学校では、給与の仕組みが大きく異なります。
項目 | 公立教員(地方公務員) | 私立教員(学校法人職員) |
給与体系 | 地方公務員法に基づく給料表。年功序列が基本で、安定性が高い。 | 学校法人ごとの就業規則。学校経営や個人の実績によって変動しやすい。 |
残業代 | 原則支給されない。代わりに給与月額の4%が教職調整額として一律支給される(2026年には13%に引き上げ予定)。 | 労働基準法が適用されるため、残業時間に見合った手当が支給される。 |
初任給 | 各自治体で設定。私立と比較してやや低い傾向にあるが、安定している。 | 学校ごとの裁量が大きく、公立より高い場合もあるが、差が大きい。 |
平均年収 | 約625万円〜680万円(校種による)と安定した水準。 | 公立に準じることが多いが、有名私立では高収入の例もある。 |
昇給 | 経験年数や人事評価に基づき、定期的に昇給。 | 学校ごとの評価制度に基づき昇給。実力や貢献度が反映されやすい。 |
退職金 | 公務員と同等の制度。定年退職で2,100万円〜2,400万円程度。 | 学校ごとに規定が異なるが、公立に準じることが多い。 |
安定性 | 景気の影響を受けにくく、非常に安定している。 | 学校経営状況に左右されるため、公立に比べて安定性は低いと感じられる場合も。 |
小学校、中学校、高校、給料に差はある?
同じ「教員」でも、担当する校種によって給与に差はあるのでしょうか?
1. 平均年収の比較
教員全体の平均年収は678.8万円〜726.5万円とされています。
- 小学校教員: 平均年収は726.5万円です。
- 中学校教員: 平均年収は726.5万円であり、小学校教員と同額です。
- 高校教員: 平均年収は678.8万円です。小・中学校教員の平均年収と比較すると、高校教員の方が年収が低いことがわかります。
公立学校における教員の平均年収は、小学校教員で約625万円、中学校教員で約640万円、高校教員で約680万円とされており、特別支援学校教員の平均年収も約652万円と、同水準にあります。
2. 年齢別の年収推移
教員の給与は、勤続年数や年齢に応じて段階的に増加する安定した昇給が見込まれます。以下に、年代別の年収の推移を示します。
年齢 | 小学校教員 | 中学校教員 | 高校教員 |
20~24歳 | 361.22万円 | 361.22万円 | 340.48万円 |
30~34歳 | 526.25万円 | 526.25万円 | 549.92万円 |
40~44歳 | 711.42万円 | 711.42万円 | 733.05万円 |
50~54歳 | 933.22万円 | 933.22万円 | 865.03万円 |
55~59歳 | 966.53万円 | 966.53万円 | 893.03万円 |
70歳~ | 700.38万円 | 700.38万円 | 585.58万円 |
- 小・中学校教員: 55歳〜59歳でピーク(966.53万円)となります。
- 高校教員: 55歳〜59歳でピークを迎えますが、その年収は893.03万円と、小・中学校教員のピーク時よりも低い結果となっています。
教員のお給料の「内訳」と「実態」
公立教員(小学校・中学校・高校共通)の給与は、「給料月額 + 各種手当」で構成されます。
- 初任給: 大学新卒の公立教員の初任給は、東京都の場合で約248,700円です。学校種による大きな差は見られません。
- 教職調整額: 公立教員には「給特法」が適用されるため、残業代は支給されず、代わりに給与月額の4%が「教職調整額」として支払われます。この4%という数字は、昭和41年度の調査に基づくもので、現状と乖離があるため「定額働かせ放題」と批判されることもあります。この教職調整額は、2026年から13%に引き上げられる案が発表されています。
- 各種手当:
- 地域手当: 勤務する都道府県によって差があり、物価が高い都市部では手当の割合が高く設定されます。
- 教員特殊業務手当: 部活動指導手当など、特別な業務に対して支給されます。特に部活動指導手当は一律3,600円と低額で、負担に見合わないとの指摘があります。
教員の待遇改善策は、教育の質と教員不足解消にどう寄与する?
教員の待遇改善は、教職の魅力を高め、教育現場の質的向上にもつながります。
教員不足の解消へ
- 優秀な人材の確保: 教職調整額の引き上げや福利厚生の充実が、教員志望者の増加につながると期待されています。
- 働き方の改善: 学校閉庁日やICT活用による業務負担軽減は、教員が職務を継続しやすくなり、離職者の減少に貢献します。
教育の質の向上へ
- モチベーション向上と業務負担軽減: 待遇が改善され、教員不足が解消されれば、先生は教育活動に専念できる時間が増えます。
- 専門性向上と自己研鑽の促進: 業務負担が軽減されることで、教員が授業準備や教材研究などの自己研鑽に充てる時間を確保でき、指導力が高まります。
まとめ:給与だけで判断しない、総合的なキャリアプランを
教員のお給料事情は、公立と私立、そして個々の経験や役職によって様々です。
- 公立教員: 安定した給与体系と充実した福利厚生が魅力。
- 私立教員: 学校ごとの特色が強く、実力や実績が反映されやすい傾向。
給与の額だけで教員という仕事を選ぶのではなく、「どのような教育をしたいか」「どのような働き方をしたいか」など、ご自身の価値観と向き合い、総合的な視点でキャリアを考えることが大切です。
この記事が、教員を目指す方や現役の先生が、自身のキャリアプランを考える上で少しでもお役に立てれば幸いです。

